30年半の凍結保存から見事に復活した最強生物「クマムシ」のナゾ (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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30年半の凍結保存から見事に復活した最強生物「クマムシ」のナゾ

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「クマムシ博士」こと堀川大樹さんと、堀川さんが考案したクマムシのキャラクター「クマムシさん」のぬいぐるみ(撮影/写真部・堀内慶太郎)

「クマムシ博士」こと堀川大樹さんと、堀川さんが考案したクマムシのキャラクター「クマムシさん」のぬいぐるみ(撮影/写真部・堀内慶太郎)

 乾眠状態にあるクマムシは、乾燥以外の厳しい環境にも耐えられる。ヨコヅナクマムシという種は、温度では、マイナス273度の超低温にも、100度ほどの高温にさらされても生き延びる。圧力では、7万5千気圧(地上の気圧は1気圧)の高圧だけでなく、真空の中でも大丈夫だ。さらに、強い放射線を浴びても死なない。ただし、放射線に対しては、乾眠状態よりも「活動状態」のほうがむしろ強いという。

■飼育法の発見で研究が躍進

 クマムシが温度や圧力などに強いことは古くから知られていたが、その強さのナゾを解明するには、クマムシを大量に飼育して、何度も実験して確かめなければならない。ところが、クマムシの飼育は難しく、最初に飼育法が確立されたのは2000年を過ぎてから。日本の研究者の鈴木忠さんが寒天培地(※)で肉食のオニクマムシという種にワムシという小さな動物を与えて飼育することに成功した。だが、生きたワムシを与えるのは手間がかかった。05年、堀川大樹さんがクマムシの一種に市販のクロレラ飼料を与える飼育法を確立。クマムシの飼育がぐんと簡単になった。

 堀川さんはそれらのクマムシを使って、超低温や高温などにさらしたときどれだけ生きるのか、どれだけ子孫を残せるのか、世界で初めて確かめた。06年のことだ。そしてこのクマムシがこれまでに知られている中で最強であることを明らかにし、ヨコヅナクマムシと名づけた。

■多数派とは違う進化で最強に

 地球の生物は、水なくしては生きられない。そこで多くの生き物は、体内に水を蓄えることによって、乾燥による死を避ける方法を進化の途上で手に入れてきた。一方、クマムシは「乾燥しても死ななければいい」という方法をとった。

 クマムシが進化の過程で、乾燥だけでなく、超低温・高温・高圧・真空・放射線などにも耐えられる能力を身につけたのはどうしてだろう?

 堀川さんは、次のように考えている。


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