日本を代表する大きな会社が検査データを都合いいように書き直すなどという不正をしていたことが相次いでわかった。どうすれば不正を止められるだろうか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞編集委員・多賀谷克彦さんの解説を紹介しよう。
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神戸製鋼所(神鋼)は鉄鋼や銅などの製品をつくって、多くの会社に納めている。それらは自動車や電車、発電所などの部品として使われている。
どの製品にも安全性が求められる。電車の安全も部品が支える。その強度の基準は、神鋼と電車をつくる会社が決めていた。なのに、神鋼はその強度に満たない部品のデータを満たしたように書き換えていた。不正は複数の工場で、多くの人が関わっていた。
自動車も出荷前には検査が必要だ。なのに、日産自動車やスバルは検査する資格を持っていない人に検査をやらせていた。
いろんな原因が言われている。基準に満たない製品をつくり直していては期限に間に合わない。人手不足で検査員が足りなかった。みんな、不正とわかっているのにやってしまっていた。組織的な不正の疑いが強い。
不正があると、会社は原因を調べ、二度と起きないように対策をとる。
ただ、実際に不正をしたのは会社という組織ではなく個人だ。だから、個人の行動、心理を分析しないと解決できないという考え方がある。
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