米国のオバマ前政権は、北朝鮮が非核化の措置をとるまでは交渉に応じないとする「戦略的忍耐」の政策をとった。トランプ政権は「戦略的忍耐の時代は終わった」として北朝鮮政策を見直し、軍事攻撃の可能性もほのめかしている。

 ただ、もし米軍が攻撃して、北朝鮮が韓国や日本の米軍基地に反撃すれば多くの死傷者が出かねない。だから、米国が簡単に軍事攻撃をできるわけではない。

 北朝鮮は自らの体制を守るためには、核兵器とミサイルの力に頼ることが必要だと考えている。韓国や米国などを相手に戦った朝鮮戦争は、今も休戦状態のままだ。北朝鮮には、自らを核保有国と認めさせ、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に変える交渉を求める意図があるとみられている。(解説/朝日新聞国際報道部・金順姫)

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1950年6月、北朝鮮軍が北緯38度線を越えて韓国に侵攻して始まった。韓国を支援するため米軍を中心とした国連軍が参戦し、北朝鮮を中国軍が支援。朝鮮半島各地で激しい戦闘が繰り広げられた。休戦協定が結ばれたのは53年7月。戦争は終わっておらず、戦闘を中止した状態だ。

※月刊ジュニアエラ 2017年6月号より

ジュニアエラ 2017年 06 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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