いくら非難されても、北朝鮮がミサイル発射と核実験をやめようとしないのはなぜなのか。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞国際報道部・金順姫(キム・スニ)さんの解説を紹介しよう。
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ミサイルと核兵器の開発を続ける北朝鮮。トップの金正恩・朝鮮労働党委員長は、核兵器を搭載してアメリカ(米国)本土まで届く長距離弾道ミサイルの開発を目標にしている。いくら非難されても、北朝鮮がミサイル発射と核実験をやめようとしないのはなぜなのか。
北朝鮮が初めて核実験を実施したのは2006年10月。16年9月までに計5回の核実験があったが、そのうち3回は金正恩体制のもとで行われた。
北朝鮮はミサイル開発も進め、現在保有している弾道ミサイルは1千発以上とみられている。短距離ミサイルのほか、射程が約1300キロメートルの「ノドン」、射程3千キロメートル以上の「ムスダン」などが含まれる。
4月15日には首都平壌で軍事パレードがあり、金正恩委員長が出席。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」も披露された。今後、米国本土に届く新型の長距離弾道ミサイルKN08(射程6千~1万キロメートル)の発射実験に踏み切るとの見方が出ている。
北朝鮮に強硬な姿勢をみせているのが、1月に就任したトランプ米大統領だ。北朝鮮に対して「すべての選択肢がテーブルの上にある」という立場をとる。朝鮮半島の近海に向けて、海軍の原子力空母カールビンソンを派遣した。
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