「プロジェクトの進め方だけでなく、学校のルールや問題点、行事の内容まですべて子どもたちで話し合って、決めます。自分たちが主体となって取り組むから、大変だけど楽しい。体験学習中心だと学力を心配する声もありますが、卒業生は進学先の高校で良い成績をとっています。自分で決める経験をたくさんしているから、将来も自分の好きな道に進んでいますね」
以下に、きのくに子どもの村学園の特徴をまとめました。
◎時間割の約半分が体験学習(プロジェクト)で、1~6年生の異年齢で活動
プロジェクトでは生活に根差した衣食住に関わる体験学習を1年かけて行う。これまでに「木工」では「おもちゃ博物館」を建てたり、「料理」では麺の研究をしたり、中学校では「竪穴住居」を作ったりした。
◎週に1回全校ミーティング。行事や日々のことなどを話し合う
校内のルールや問題点、プロジェクトや行事など、学校・寮生活に関わるすべてのことを、子どもたちが主体となって話し合い、決める。大人は子どもと対等な立場で参加する。
◎オリジナル教材を使って「ことば」「かず」を学んでいく
教科授業に代わって、オリジナルの教材を使った「ことば」と「かず」の時間がある。プロジェクトに関わる題材を使い、実生活に結びつけ、手を動かしながら習得する。
◎スコットランドに約1カ月。プロジェクトごとに研究
スコットランドのキルクハニティにある同園の施設に滞在しながら、各プロジェクトを行う。演劇クラスでは英語劇を披露。滞在中の過ごし方も子どもたちが話し合って決める。
(取材・文=石渡真由美)
※「AERA with Kids秋号」では、「多様化する学びの場」として、自由教育の例に挙げた、きのくに子どもの村学園以外にもさまざまな教育機関を紹介しています。