その結果、同じ10月20日に考査が行われた青山学院横浜英和小学校や精華小学校などとの併願が可能に。ほかにも都内女子校では、白百合学園小学校が考査を1時間程度に短縮したことで、午前中に白百合学園小、午後に聖心女子学院初等科や雙葉小学校を受験するなど、「11月1日のゴールデンタイム」に、人気校同士を組み合わせて受験することができたという。
志願者数増加が際立ったのは、東洋英和女学院小学部。昨年は約600人と、20年度の約300人から倍増、志願者倍率は11・8倍となった。
「11月1日が礼拝のある日曜だったため、東洋英和や青山学院などプロテスタント系の学校は試験を2日に実施しました。その影響もあるでしょう」(吉岡さん)
志願者倍率ランキング(別表)では、トップが慶應義塾横浜初等部の13.7倍、続いて東京農業大学稲花小学校の12.9倍、3位は慶應義塾幼稚舎の12.2倍だった。
ちなみにランキングで示す「志願者倍率」とは、募集人数に対して出願者数を表したものであり、合格者数に対する実際の受験者数を表す「実質倍率」とは異なる。「願書は出したものの、試験は欠席」する人もいるので、実質倍率と志願者倍率には差が出る。また、学習院初等科や雙葉小学校のように出願者数を非公表にしている伝統校もあるので、データを読む時には注意しておきたい。
「躍進が目立つのは中学受験で結果を出している小学校」と野倉さんは話す。志願者倍率が前年度の12位から7位にランクアップした洗足学園小学校はその代表格だ。
「『御三家』や医学部受験に強い中学に、安定して合格者が輩出している。児童が結果を出せるよう、寄り添う力がある学校です」(野倉さん)
ほかにも「中学受験」という軸で考えるなら「6年生になると毎月、中学受験に対応した模擬テストを行う品川翔英小学校(小野学園から20年に改称)や、5年次から男女別のクラス編成となり、難関中学への男子の進学実績が高い目黒星美学園小学校なども要注目」(吉岡さん)だという。