――なるほど……でも、興味をもったのがパソコンじゃなくてスポーツや音楽だと、プログラミングにはつながらないんじゃないの?
そんなことないよ! プログラミングは身のまわりのさまざまなことに関係しているんだ。どんなことでも、興味をもったことに打ち込み、課題を解決しようとするなかで、プログラミング思考は鍛えられる。それに、どんどん賢くなるAIの力を借りれば、興味をもったことをもっと深く楽しめる。そう思ったら、パソコンのプログラミングも一生懸命勉強して、AIと仲良くなれると思うよ。
――そうだね! なんだかボクもAIと仲良くなれそうな気がしてきた。プログラミングの勉強、始めてみようっと!
●プログラミング思考とは?
プログラミングとは、そもそも、コンピューターに限らず、「人やモノを思いどおりに動かすための命令をつくること」だ。例えば、運動会や入学式、卒業式などで、誰がいつ、あいさつや競技を行うかを表したプログラムをつくるのは、まさしくプログラミングといえる。
目覚まし時計をセットするときは、「7時になったら音を鳴らせ」「二度寝したら困るから、一度止めた後、しばらくしたらまた鳴らせ」などのプログラミングを目覚まし時計に対して行っている。家族におつかいを頼んだり、誕生日にしてほしいことをお願いするのも、野球のチームが送りバントや盗塁などのサインを考えるのも、プログラミング。勉強の計画や、料理の手順を考えて実行するのは、自分自身をプログラミングしているともいえる。
プログラミングにはミスがつきもの。他人に何かを頼んでもうまくいかなかった経験は、多くの人が思い当たるだろう。原因の多くは、プログラミングの不備にある。親におつかいを頼まれてちゃんと買えずに怒られたとしても、その原因は、伝え方、つまり親のプログラミングが不十分だった可能性も考えられる。
ミスを防ぐコツは、整理してメモにすること。参考になるのが、運動会などのプログラムだ。文章ではなく箇条書きで、時間順に上から下に書かれている。参加者も一目瞭然だ。昼休みの前後は1行空けるなど、スペースも効果的に使っている。このようなコツを応用してメモにすれば、ミスを少なくできる。
プログラミングには、こうした共通のコツがいくつもあり、「プログラミング思考」とも呼ばれる。それは、高度なAIに命令するプログラミングにも応用できることが多い。もちろん、生活や仕事のさまざまな場面にも生かせる。今のうちに、普段の生活のプログラミングで、こうしたコツを身につけておこう。
(文・ジュニアエラ編集部)
※月刊ジュニアエラ 2021年11月号より
朝日新聞出版