勉強や宿題など、なかなか行動しない子どもに声をかけるのは難しいもの。どのくらいの距離感で見守り、関わるべきなのでしょうか。子どものやる気をそがない見守り&声掛けを教育評論家、アフタースクールに詳しい専門家、現役小学校教諭に聞きました。 「AERA with Kids 2025年春号」(朝日新聞出版)からご紹介します。
【表】学力の高い家庭がやっている生活習慣はこちら子どもに求められていないのにアドバイスしていない?
「勉強しなさい」「今やろうと思ってたのに!」。子どものころ、親に先に言われて、やる気をなくした経験はありませんか?
「親は子どものやる気を失わせる天才です。言いたいことは短歌(31音)ではなく俳句(17音)で伝える感覚で、余計なひと言まで言わないように気をつけましょう。また、勉強とは関係ない雑談を増やしてみてください。『今日は暑いね』『夕飯は唐揚げだよ』というたわいもない会話こそが親子の信頼関係を強めます。子どもは自分をわかってくれている人の声かけには、腹を立てなくなると思います」(教育評論家の石田勝紀さん)
子どもがほしいのは「共感」
雑談が進むと子どもから「最近算数が難しくて」と本音がこぼれることも。この時、宿題やってる?と言いたくなっても我慢!
「そんな時は、わかる、難しくなってくるよね〜と頷(うなず)いて。子どもがほしいのは『共感』なんです。『どうすればいい?』と助言を求められたら『宿題を見せてくれる?』『ドリルを買うこともできるよ』などの返答をしましょう」
新渡戸文化アフタースクールの織畑研さんは、見守ることはやらされ感をなくすことだと言います。
「時間は自分で管理していいのだとわかると、『遊んでから宿題をする』『放課後は好きに過ごして、勉強は夜にやる』など、どうしたいか親にプレゼンする子もいます」
でも声かけをしない結果、宿題が終わらなかったら?
「子どもの中には、最後は親が助けてくれるという気持ちもあります。失敗は気づき。時には、親が先回りをやめてとにかく待つことも必要です」(織畑さん)
次のページへやる気が出る5つのアクション