私がノート作りを工夫し始めたきっかけは、中学受験です。小6から通い始めた塾では、間違えた問題を解き直したり解説を書き込んだりする「誤答ノート」を作って、毎週提出しなければなりませんでした。「後から読んでわかりやすいノートを作ろう」とか「色を効果的に使うと読みやすい」とか、現在、私がノート作りに取り入れている視点は、このときの経験から生まれたものです。
――小学生時代のノート作りが、今につながっているんですね。
小学校時代の勉強で身に付けた習慣は、大人になっても結構役立っています。例えば、私が小学校のときに通っていた公文式の教室では、いつも時間を計りながら問題を解いていました。以来、何かの作業をするときは必ず時間を意識するのが私の習慣になっていて、今も仕事の期日を考えてペース配分をしたり、所要時間を見積ったりするのは得意です。
毎日勉強をするという生活スタイルも、小学生のうちに習慣にしてしまえば、歯磨きと同じで「多少面倒だけど、するのが当たり前」になります。一旦、勉強へのハードルが「当たり前」というレベルにまで下がれば、その状態は中学、高校になっても基本的には変わりません。
小学生のうちに学習習慣を身につける方法としておすすめなのが、手帳やカレンダーにその日の勉強時間ややったことを書き込んで、頑張りを「見える化」する方法です。自分はこれだけ頑張れる人間なんだとお子さん自身が実感することは、モチベーションの維持につながるだけでなく、自己管理能力や自走力を育む第一歩にもなると思います。

(構成/木下昌子)
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