安浪:本当はそれが一番いいんですけど小学生にはハードルが高いかな。百歩譲ってわからなくてもいいから、まずノートに書く体力をつけてください、と私は言っています。書く以前の問題というか。うちの子は書くのが遅いんです、って言う親御さんがいますけど、それは書いていないからです。

安浪京子さん

佐藤:まずは書く練習からしないといつになってもできるようにならないですよね。人間の能力を高めるためには、鉛筆を持った作業力ってとても大事です。人間って、結局は手を動かさないと頭に入らないんです。

安浪:どうやったら先生の話を聞きながらうまく書けるのかな、ということもやりながらでないと学べないですから。すぐにはできるようにならないです。

佐藤:書けない子って結局、中高になっても成績が伸びないですね。

安浪:最近、うちの子計算が弱いからおすすめの計算アプリありますかっていう質問もあるんですが、アプリじゃねぇ……。

佐藤:そうそう、最初はアナログじゃないと絶対ダメです。もう、アプリとかなんだとかごちゃごちゃ言わないで、12歳までは体を、書く力をしっかり鍛えてほしい。子どもは100まで生きるんだから、12歳までしっかり鍛えておかないとあとが大変になるんですよ。いまの時代、アナログじゃなくてもいいんじゃない?と思う人もいるかもしれませんが、アナログじゃないとダメなんです。とにかく12歳までしっかり鍛えてください。

※「中学受験の意義」(佐藤亮子・安浪京子著)から一部編集

東大理三出身・佐藤ママの長女が語る、母の教育「いい大学に行ってくれたら自慢できるという感情は母には全くなかった」
中学受験の意義

佐藤 亮子,安浪 京子

中学受験の意義
著者 開く閉じる
佐藤亮子
佐藤亮子

さとう・りょうこ/4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた実績を持つ教育・子育てアドバイザー。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)、安浪京子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)など。

安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は佐藤亮子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

1 2