安浪:本当はそれが一番いいんですけど小学生にはハードルが高いかな。百歩譲ってわからなくてもいいから、まずノートに書く体力をつけてください、と私は言っています。書く以前の問題というか。うちの子は書くのが遅いんです、って言う親御さんがいますけど、それは書いていないからです。

佐藤:まずは書く練習からしないといつになってもできるようにならないですよね。人間の能力を高めるためには、鉛筆を持った作業力ってとても大事です。人間って、結局は手を動かさないと頭に入らないんです。
安浪:どうやったら先生の話を聞きながらうまく書けるのかな、ということもやりながらでないと学べないですから。すぐにはできるようにならないです。
佐藤:書けない子って結局、中高になっても成績が伸びないですね。
安浪:最近、うちの子計算が弱いからおすすめの計算アプリありますかっていう質問もあるんですが、アプリじゃねぇ……。
佐藤:そうそう、最初はアナログじゃないと絶対ダメです。もう、アプリとかなんだとかごちゃごちゃ言わないで、12歳までは体を、書く力をしっかり鍛えてほしい。子どもは100まで生きるんだから、12歳までしっかり鍛えておかないとあとが大変になるんですよ。いまの時代、アナログじゃなくてもいいんじゃない?と思う人もいるかもしれませんが、アナログじゃないとダメなんです。とにかく12歳までしっかり鍛えてください。

※「中学受験の意義」(佐藤亮子・安浪京子著)から一部編集
中学受験の意義
佐藤 亮子,安浪 京子


著者 開く閉じる