思春期の前段階にあたる「プレ思春期」。心も体も成長するこの時期、子どもがウソをついたり、そっけない態度をとってきたら……。プレ思春期の親子に多く見られる心配やお悩みについて、臨床心理士・公認心理師の松丸未来さんにお話を聞きました。
【マンガ】思春期になっても娘たちと仲がいい夫。なぜなのか娘に聞いてみると…?ウソの裏には、不安や行き詰まり、スランプが隠れているかも
<プレ思春期・親の心配事>
「宿題を『やった』とうそをつきます。受験勉強も本格的になるのに困っています」(小5男子の母)/「なにを聞いても『別に』『普通』といわれます」(小4女子の母)
――やらなくてはいけない宿題をやらずに「やった」とウソをついてしまうのですね。
知恵がついてきた証拠といえばそうなのですが、勉強をしないのでは困りますね。
まず、怒られたくないから「とりあえず」つくウソはあります。やりたくないけれど、「やってない」と言えば「やりなさい!」と確実に返されますから。さらに難しいからできない、わかっているけれどめんどくさい、明日提出しなくてもいいけれど、それを説明するのが「めんどくさい」……。
プレ思春期は、こんなふうに「めんどくさい」からウソをつくということが大いにあります。説明するのもだるいのです。つい、「なんでうそをつくの?」と言いたくなりますが、単純に「めんどくさい」「だるい」というこの時期特有の心情も思い出してあげてください。
でも、もう少し深刻な気持ちが隠れている場合もあります。受験が嫌、親の期待がしんどい、勉強がわからない……。ウソを頭ごなしに否定せずに、「ウソの裏側はなにかな?」という部分に寄り添ってあげることが大切だと思います。
「話したくない」には2パターンあります
――なにを聞いても「別に」や「普通」で返されてしまう場合、どのように向き合えばいいでしょうか。
シンプルに「話したくない」のですよね。でも、この「話したくない」気持ちには2パターンあります。
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