なにかと悩みが多くなる、子どもの勉強シーン。イライラせずに応援したいけれど、現実はお小言ばかり……。上手にサポートをする考え方について、教育評論家の石田勝紀さん、筑波大学附属小学校国語科教諭の白坂洋一さん、中学受験専門塾「伸学会」代表の菊池洋匡さん、脳科学者の加藤俊徳さんの4人に教えてもらいました。「AERA with Kids2024年秋号」(朝日新聞出版)から紹介します。

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子どもを観察してまずは原因をつかもう

 子どもが勉強する姿を見ていると、「集中できない」「自分から勉強しない」など、ネガティブなところばかりに目がいきがちです。

 これまで多くの親から勉強の悩みを聞いてきた石田勝紀さんは「『勉強がうまくいかない原因は何だと思いますか?』と聞くと『わからない』と答える人が多い。うまくいかない理由を知らないまま『うちの子はできない』と言っているのです。そんなときは、まず子どもを観察して原因をつかむよう伝えています。これで勉強のモヤモヤが大分消える」と話します。

 対処の際は「子どもが考え、決める場をつくる」のも大事なポイント。現役小学校教師の白坂洋一さんは「なんでも親が先に指示をすると子どもの考える力が育たなくなってしまう。一緒に考えてもよいので、子どもが決めたら待つことが大事」と強調します。

 一方、「もっとポジティブワードの声かけを意識してほしい」と話すのは中学受験指導をしている菊池洋匡さんです。「『ここができてない』という声かけを『ここまではできているね』に変えるだけでやる気がグンと上がります。この声かけの蓄積は今後勉強していく子どものやる気の土台になります」(菊池さん)

 結局、勉強サポートとは「子どもの勉強が進むよう背中を押してあげること」と話すのは脳科学者の加藤俊徳さん。「そもそも脳は楽しく知識を増やすことが大好き。『できない』『苦手』といった言葉を親が使わないようにするだけで子どもが見ている勉強の景色が変わります」(加藤さん)

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AERA with Kids編集部
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