知らないことを知って興味や関心が広がった様子。ポジティブな空気のなか、イベントの幕が閉じられました。

 イベント終了後、普段から「桃鉄」プレーヤーであるという小学5年生の男の子に感想を聞くと、「すごく楽しかった。国旗を覚えるというテーマを忘れるほど」と笑顔で答えてくれました。家では「桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜」をプレーしており、「偉人がたくさん出てくる。勉強よりも面白いし、覚えられる!」と話してくれました。

 一緒に来ていたお母さんは「この偉人知ってる?って子どもから問題を出されることもあります。親も勉強になりますね」と家での様子を教えてくれました。

覚えた国旗を描く生徒
みんなで国旗クイズにも挑戦!

学校現場ではコミュニケーションツールとしても活用

「桃鉄」には、学校の教育教材として開発された『桃鉄 教育版』も存在します。その教材づくりを手伝ったというのが、同校の小池翔太教諭。学校現場におけるゲーム活用の実践研究をしています。

 同校では、テストの空き時間や席替えをしたあとなどの隙間時間に桃鉄をプレーする時間を設けているそう。狙いは「学習」と思いきや、それだけではないと、小池先生は話します。

「桃鉄を通して、都道府県の漢字を書けるようになったり、地名に興味関心がわいたりということはもちろんたくさんあります。ただ、桃鉄は都道府県名を覚えるだけでなく、人と人とのつながりを生むゲーム。主にはコミュニケーションツールとして活用しています」

 今回のイベントでも、子どもたちがゲームを通して自然と意気投合する姿が印象的でした。

「あんなに笑顔になって、夢中になって、盛り上がって……。教員として1年間子どもたちと向き合っても、なかなかこんな生き生きとした表情は見られません。教員の私からしたら嫉妬ですよ(笑)」と、小池先生。

 コロナ禍でタブレット端末が普及し、小学校でも一人ひとりがパソコンを所有するようになりました。保護者の考え方も変化しているのを感じるといいます。

「ゲームが教育現場でどう活用できるのか、どんどん研究し、広めていきたいですね」(小池先生)。

(取材・文/濱田ももこ)
 

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濱田ももこ
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