読書離れが進むといわれる今どきの子どもたち。本を読んでほしいけれどなかなか定着しないというご家庭に、子どもが読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を立ち上げた笹沼颯太さんが、子どもを本好きにする方法をアドバイス。今回は、笹沼さんも大好きな「図書館」のお話。ただ本を選ぶだけでない、図書館の魅力を聞きました。「そういえば、最近図書館に行ってないな…」という方も、きっと親子で出かけたくなりますよ!

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子どもの目線で見ると、本に「囲まれる」感覚なのです

――小学生親子にとって、図書館は比較的身近な存在だと思います。夏休みの自由研究のテーマや、読書感想文の題材を探しに、これからの季節はにぎわいそうですね。

 そうですね、夏休みの宿題に図書館は欠かせませんよね。でも、個人的には、図書館はもっと日常的に通ってほしい場所なのです。

 図書館というと「本を探しに」とか「宿題の参考に」と、なにか目的を持って出かけるイメージですよね。でも、ただ行ってみるだけでもじゅうぶん楽しい場所なのです。とくに、子どもにとっては特別な空間だと思います。

――特別な空間?

 そうなのです。あれだけの本が並んでいる光景は、かなりの迫力ですよね。さらに、からだの小さな子どもの目線で見ると、自分の身長より高い位置にも本が並べられている。まさに、本に「囲まれている」ような感覚で、大人とは違う景色を見ているんですね。「こんなにたくさん、本があるんだ」ということを目にするだけでもひとつの体験になります。

 そして、中に入ると読書家の大人たちが本を読んでいる姿を見ることができます。これも子どもにとって刺激的。図書館は、読書スイッチが入る空間でもありますよね。親子で出かけたのなら、それは図書館に行くという「お出かけ」を含めた楽しい思い出にもなるでしょう。

――でも、本に慣れていない子どもは、「こんなにたくさんある中から、どうやって選ぼう」と困ってしまいますよね。

 無理に「選ぶ」ことをしなくてもいいのです。ただ館内を歩くだけでも、たくさんの本が目に入ってきますよね。それを眺めるだけでもいいのです。

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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