いよいよ新学期。新しい学校やクラスを楽しみにしている子もいれば、不安を抱いている子もいるでしょう。「新しいママ友とうまくやっていけるか心配」といった親自身の悩みも多い時期ではないでしょうか。子育て情報誌『AERA with Kids』の編集を12年経験した元編集長が、新学期の親子向けにおすすめの本から、ヒントになる言葉を紹介します。<『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』(ワニブックス)の中で紹介している本のなかから紹介しています>
【図版】5人に1人の子どもが悩んでいる! 発達障害と間違えやすいHSC「4つの性質」(全4枚)新学期になると、子どもの環境は大きく変わります。新しい学校、新しいクラス、新しい担任……。特に重要なのは友だち関係。
「仲のいい子ができなかったらどうしよう」
「嫌いな子がいたらどうしよう」
誰と一緒になるか、誰と別のクラスになるかは、子どもにとって新学期の一大事です。
悩みの一因となるのは、「みんなと仲良くしなければならない」「友だちは多いほうがいい」という学校教育で刷り込まれたプレッシャーがあるからではないでしょうか。
そこでおすすめなのが『友達幻想 人と人との〈つながり〉を考える』(ちくまプリマー新書)。社会学を専門とする著者の菅野仁氏が、人間関係で初めてつまずきを感じやすい中・高校生に向けて書いたもの。小学校高学年ぐらいから読めそうです。本書にはこうあります。
「基本的な発想として、共同体的な凝縮された親しさという関係から離れて、もう少し人と人との距離を丁寧に見つめ直したり、気の合わない人とでも一緒にいる作法というものをきちんと考えた方が良いと思うのです」(『友達幻想 人と人との〈つながり〉を考える』より)
苦手な相手と無理に仲良くなろうと頑張らなくていい、ただし気の合わない人とでも一緒にいる作法を身につけよう、という提案は実践的で心が軽くなります。
SNS上でのコミュニケーションや距離感のとり方なども教えてくれているので大人が読んでも役立つ一冊です。