【解説】

 相談者さん、自信を持ってください! 

「子曰(い)わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是(こ)れに反す」(顔淵第十二)

 と、『論語』にあるように、孔子の生きた春秋時代(紀元前6世紀~同5世紀)から、世の中には、人の欠点ばかりをあげつらう人が多かったのです。他人のいいところだけを見て伸ばしてやり、人の欠点は見ないようにすることこそが「君子(立派な人)」だと、孔子は教えていますが、現実にはそうでない「小人」があふれていたのです。

 娘さんの友達から「おじいちゃん」と言われても、そんなこと決して気にすることなどありません。無視してください。そして、若い年齢層の他の親と交わるのが嫌になるなんて思わないで下さい。人はそれぞれ違います。年齢がちょっと上であるくらいの親がいてもおかしいことでは決してありません。昔は、10人ほどの子どもがいる人もたくさんいました。一番上の子どもと一番下の子どもの差が10歳以上ということも珍しくなく、一番下の子どもからすれば「父親」は「おじいちゃん」のように見られるということも少なくなかったのです。気にすることなどありません。年齢が上ということは、別の言い方をすれば経験を積んでいるということです。若い親の人たちに教えてあげられることも少なくないのではないでしょうか。

 ところで、もし「白髪」「中年のおじさん体形」を気にしていらっしゃるのなら、今こそそういう外見的なことも、内面と一緒に若返りましょう。「人生100年」という時代。相談者さんが、あと50年生きると考えれば、ちょうどUターン地点です。娘さんの将来を考えれば、まだまだ自分から、「人と比べて年をとっている」なんて考える年齢ではありません。髪の毛やお肌の手入れ、飲食を含めた生活態度、仕事への意欲、家族との将来、後世に残すべきものなど、総合的に自分の生き方、生活の仕方を考える節目に立っているのだと考えてみてはいかがでしょうか。

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