永谷:親は「ちゃんと育てなきゃ」という責任があるし、愛もあるしね。どうしてもマイナスの部分を見てそれを埋めようとしちゃうんですよ。だからできない方を指摘しがち。でも人材育成の面から見るとそれでは人は育たないんです。自分に自信を持てて、自分で動くことができるようにするのが育成だから。
くわばた:その通りやね。ではどうしたらいいんやろ。
永谷:だからこそ、まずは親自身が自分ができたことを見つける練習をするんですよ。今日はいつもより30分早く起きれた、とかハンバーグが上手に作れた、とか、何でもいいんです。そんな当たり前のこと、と思っちゃダメ。皆さん自分を厳しく見すぎです。
くわばた:そうやね。イライラすることがあっても、そこはあえて見ないようにするという。
永谷:自分の感情の起伏を観察するのも結構大事なんですよ。イライラしているときに、第三者の目で「あ、私今イライラしている」と思えたら、それはもう冷静になれている証拠。「イライラしている自分を観察できた」というのも、立派な「できたこと」になりますよね!
くわばた:なるほど!
永谷:子育て中にお母さん方って自己肯定感が低くなりがちです。たくさんやっているのにできていないことばかりに目をむけちゃう。
くわばた:わかるわ~。あれもやってへん、これもできてへん!てね。まずは親自身が「できたこと」を見つけないとあかんね。
永谷:その通りです! 自分自身のできたことが見つけられるようになると、子どものできたことも目につくようになり、褒めるポイントも見えてきますよ。
「AERA with Kids特別編集 自己肯定感を高める本」では、親子で自分の「できたこと」を見つけ、自己肯定感を高めることができる「親子できたこと手帳」が付録についています。くわばたりえさん親子が1カ月チャレンジした様子も掲載しています。
朝日新聞出版