<その1> 1週間のスケジュールを見直す

 この時期に、逆に急速に成績を上げていく子もいます。その子たちに共通しているのは、「それまでに学習習慣がきちんとついていること」と、矢野先生は分析します。

「ただ、現時点で学習習慣ができていなくても、あきらめる必要はまったくありません。5年生の秋からでも、十分に間に合うからです。心機一転、まずは1週間のスケジュールを見直し、学習習慣をリセットしましょう」

 受験勉強で大事なのは、塾で学んだことを「確実に」身につけること。そのために「塾の授業」→「解き直し」→「塾の宿題」の学習サイクルを、1週間の予定に上手に組み入れ、それを習慣としてルーチンワークにしていくことが大切です。

「解き直しは、塾から帰ってきて先生の言葉が頭に残っている、その日にやるのが理想ですが、疲れて難しいならなるべく翌日に。宿題は週末を中心にまとまった時間をとって、集中して取り組めるような計画にするのがポイント」と矢野先生はアドバイスします。

 塾や習い事の日程も考えて、必ず親子で決めるのがポイントです。学習計画だけでなく、自由時間もしっかり確保しましょう。最初は習慣化することが難しいかもしれません。ですが、子どもが自分で学習計画を立てるのは至難の業ですし、毎回親がやってあげるのもかなりの負担です。

 それよりも、スケジュール表を見ながら、「あっ、◯時になったよ。算数の宿題の時間だね」などと声をかけ、機械的に時間を守る意識をもたせ、少しずつルーチン化していくほうが、親子ともにラクなはずです。それに学習習慣として、はるかに定着しやすくなります。

<その2> 「省く」という選択肢を持つ

 塾は週に3~4日になり、毎回たくさんの宿題が出されます。暗記事項も急に増えます。子どもたちはやるべきことが多すぎて頭がいっぱいになり、焦りや不安から、やる気ダウンにつながりがちです。親は、子どものメンタルも考えて、効果の低い学習方法を見直し、宿題の量を減らすなど、子どもを精神的に追い込まないような注意が必要です。

NEXT中学受験の鉄則とは?
1 2 3