<おすすめの食事や生活>
〇体の余分な熱を取り除く野菜や、大豆製品などのアルカリ性食品をたっぷりと。カルシウムも効果的。
×ゲームなどは、気をさらに滞らせてしまう可能性が。体をよく動かして熱を発散させる時間を十分に。
3.肝気不足(かんきぶそく)タイプ
やる気がなく、ボーっとしている子に多い。これは、血のめぐりが悪く、気の量も不足気味で肝の働きが低下している状態です。
薬膳では、やる気をつくりだすのは肝の仕事といわれています。肝の気が十分に養われていないと、気と血の蓄えが悪くなり、気が足りないと血のめぐりも悪くなります。肝は解毒をつかさどる臓器なので、代謝に負担のかかるジャンクフードや甘いものばかり食べていると、肝がダメージを受けやすくなります。食事の質と量には特に注意をすること。また、生理の始まった女の子も、血のめぐりが滞りやすいので、同様の養生が必要です。
<おすすめの食事や生活>
〇気と血を養う緑黄色野菜や鉄分の多い食材を。血のめぐりを促すねぎ類、香りのいい柑橘類もいい。
×肝の血は、夜につくられるので、夜更かしは厳禁。免疫力低下やストレスの原因に。早寝を心がけて。
4.腎気不足(じんきぶそく)タイプ
落ち着きがなく、集中力に欠ける子に多い。これは、成長に必要なエネルギーや精気が不足している状態です。
腎は、誕生から成熟、生殖、老化までをつかさどる生命の担い手で、骨髄や脳髄も養います。腎の精気がまだ十分足りていない状態の小学生の場合、発育のスピードがゆっくりだったり、落ち着きがなかったりする傾向があります。とはいえ、子どもは本来陽気のかたまりで、陽気の力で心身が成長していくようにできています。陽気はじっとしていることがなく絶えず動きまわる性質があるので、無理に静かにさせたり、あせったりしないことも大切です。
<おすすめの食事や生活>
〇腎の精気を養う豚肉やナッツ類のほか、黒い色の食材をこまめに少しずつ意識して摂取を。
×夜更かしはNG。腎の気も成長ホルモンも、寝ている間に養われる。日中の十分な運動も忘れずに。
発売中の「AERA with Kids 夏号」(朝日新聞出版刊)では、漢方・薬膳の基本的な考え方や、子どもの体質に合わせた薬膳レシピも紹介しています。(取材・文/篠原麻子)