子育てのキーワードとなって久しい「自己肯定感」。子どもはもちろん、大人でも「自己肯定感」が低い人が増えているといいます。

「目標を達成したり、能力を発揮したり、良いコミュニケーションをとったりするためにも、自己肯定感が大切だといわれています。しかしそれだけではありません。自分でがんばり続ける力、『自発力』をつけるためにも、自己肯定感は欠かせない要素なのです」

 こう話すのは、行動科学に詳しい株式会社ネットマン代表取締役社長の永谷研一さん。とはいえ、自己肯定感はどうやって高めていけばいいのでしょう? 「AERA with Kids 夏号」(朝日新聞出版刊)では、永谷さんと共同で自己肯定感を高める「できたこと書くだけシート」を作成。これは、親子でそれぞれが自分の「できたこと」を書き込み、相手にコメントをもらうというもの。3児の母、くわばたりえさんにこのシートを4週間体験してもらいました。

――最初、「できたこと書くだけシート」を聞いたときの感想は?

 毎日「できたこと」を書くと聞いて、「できたこと」ってそんなにあるかな?と思って。できたこと=何かすごいことをやったこと、と思っていたんです。何か手が込んだ料理を作った、とか。でも永谷先生に「すごくなくていい、むしろ小さいことでいい」と言われて。「毛布を2枚洗った」って書いたら、ほめられて。こんなんでええの?と思ったんですよ。

――実際、4週間続けてみていかがでしたか?

「私、こんなにできていたんだ!」って(笑)。まず、1週間のテーマ設定があるじゃないですか。私は4週間ずっと「子どもの良い所をしっかりみたい!」にしたんですよ。片付けとか料理とか母親としてがんばらなあかんことも多いけれど、「子どものいいところをたくさん見つけられた」というのが、母親として最大の良かったことだったな、と。

――お子さんのいいところがたくさん見つかったんですね?

「できなかった逆上がりができた」とか、誰にでもわかる「できたこと」以外でも、「できたこと」がだくさん見つかったんです。先生が「いいところって気をつけて見ないと見過ごしてしまう。つい悪いところ、できなかったところのほうに目がいってしまうから」とおっしゃってたじゃないですか。ホンマやな、って。いつも子どもたちの悪いところばっかり見てイライラしてた。「なんで遊びに行く前に宿題しない?」とか「なんですぐギャーギャー泣く?」とか。でもいいところに目を向けたら「いいところいっぱいあるやん!こんなにいい子たちなんだ!」って(笑)

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AERA編集部
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