幼少期から音楽に囲まれて育ったAIさん。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」主題歌でも、優しく力強い歌声が魅力です。プライベートは6歳と3歳の子のお母さん。「AERA with Kids」春号では、家族との向き合い方について聞きました。

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 子どもが生まれて改めて、両親の影響の大きさに気づきました。母はダンススタジオを経営していて、私は毎日幼稚園からスタジオに直行。スタジオで育ったようなものです。ヒップホップやジャズダンスのクラスが始まると、必ず紛れ込んで後ろでこっそり踊っていました。音楽が流れると勝手に体が動く。そんなふうに楽しみながら自然と歌も踊りも覚えました。あの環境が自分のベースだな、と思っています。

 両親には音楽だけでなく、人を思いやることも教えてもらいました。たとえばテレビで飢餓状態にある国の子どもたちが映ったら、「家や食べ物があることは当たり前じゃないんだよ」「You’ve got to help(助け合わないと)」などと伝えてくれました。厳しいところもあったけど、優しい両親でしたね。

 現在長女が6歳、長男が3歳です。毎日がただただ大変!(笑い)。帰宅後は、座る間もなくご飯を用意して、お風呂に入れて、読み聞かせ……。仕事のほうがラクかも!

 でも、一緒に過ごせる時間が短い分、子どもたちに認めてもらうチャンスはそこしかない。だから全力投球したいんです。やっぱり子どもたちは、すっごくかわいい! 毎日必ず「大好き!」と伝えて、ハグをしています。

 娘は「マミー、私がやるから、座ってて」なんて気遣いしてくれることもあります。ただ3歳になったばかりの息子はまだ言葉でうまく気持ちを伝えられず、叱られたら家出しようとしたり、時にはパンチしたりすることも。でもそこで親が怒ったら、逆効果。手を優しく持って、「いたい、いたいよ。こうしてやさしい、やさしいしてね~」とやると落ち着くんですよね。子育ては難しいけど、両親にしてもらったように、できるだけ優しさを伝えられたらいいなと思っています。

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玉居子泰子
玉居子泰子

NEXT親の心境が作品に影響
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