今回発表したニューアルバムのタイトルは「DREAM」。以前は「夢」なんて気恥ずかしくてあまり使わなかった言葉。親になった心境の変化が、作品づくりに影響しているのかもしれません。

 特に今はまさに、夢や希望や愛情が必要な時代。ダイレクトな言葉を必要としている人がいるかもしれないと思って、作りました。

 夢をもって、たどり着きたい場所があれば、人って前向きになれるし、毎日を新しい気分で生きられるものですよね。

 今回、NHKの朝ドラの主題歌に選んでいただいた「アルデバラン」は、アーティストの森山直太朗さんが作詞・作曲をしてくれたもの。困難なときでも、身近な存在を大事に思える、そんな曲です。

 サビの「笑って、笑って、いとしい人」という箇所を歌うと、私はいつも子どもたちの顔が思い浮かぶんです。大切な人を思って歌えば、自分自身も強くいられるような気がします。聞いてくださる方にもそんな気持ちになってもらえたらうれしいです。

 0歳から私の全国ツアーに連れていっていた娘は、歌うのも踊るのも大好き。おかしなことを言ってみんなを笑わせてくれる存在。そこも私に似ています。今朝も起きるなりダンスで登場してきて、爆笑でした (笑い)。

 子どもたちの前で、私の仕事の話をすることはありません。家ではふつうのお母さん。かける音楽といえば、NHK教育テレビの歌のコーナーが中心。息子が夢中になってくれて助かっています。

 娘は私の曲を、知らないんじゃないかなぁ? テレビの影響で流行の曲をよく歌っています。ただ、時々パパと一緒に車で聴いた音楽を覚えて、突然ボブ・マーリーの曲などを歌ったりもして、びっくり。しかもウマイ(笑い)。

 私は娘を歌手にしたいなどとはまったく思っていなくて、だから特に音楽について教えたりすることもまだありません。でも、もし本当に彼女が歌を真剣にやりたいと言ったら、そのときは少しずつ、良質な音楽を聴かせたり、歌を練習したり、ということもあるかもしれないけれど、そうじゃなくても全然いいんです。

 幼いうちは特に、なんでも楽しんで、自分の内側にある「好き」の気持ちに気づくことが大切。娘は、音楽もダンスも好きだけど、料理も好き。コックさんになりたいというときもあれば、警察に憧れて警官になりたいということもあります。子どもって、好きなものは自分でどんどん見つけていくと思うんですよね。何でもチャレンジしてほしい。息子も同じで、どんなことでも、いつも応援してあげられる親でありたいと思っています。

 イライラしちゃうこともあるけど、やっぱり子どもは最高! たくさんの愛をこれからも伝えていきたいです。

(ライター・玉居子泰子)

※「AERA with Kids」2022年春号より

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玉居子泰子
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