「時間感覚をもって勉強することは、受験後半戦になったら本当に大切になります。制限時間のないテストはありませんから。『漢字と計算』を1時間以上かけてだらだらやっている子も実は多いのです。もし目標のところまで終わらくても、『30分で止める』と時間で区切ってしまったほうがいいでしょう」(安浪先生)

 ステップ2の毎日決まった時間を書き入れることは比較的スイスイいきました。

 ステップ3でまた手が止まった子が続出。「どの宿題をいつやるか」わからない子が多いのです。

「これも、親が決めてしまっていることが多いかと思いますが、だんだん自分で決められるようにもっていきたいもの。例えば、水曜日に塾で算数の授業がある場合。宿題は授業があった翌日にやってしまうのか、週末にまとめてやるのか、授業の前日にやるのか。最初は難しいかもしれませんが、4、5年生でまだ時間があるうちは『いつやれば記憶が定着するか』子ども自身に試行錯誤させながらスケジュールを作りをしていくといいですね」(安浪先生)

 6年生になると平日の塾、週末のテストや志望校別対策授業などで予定がビッシリになっていくこともあります。そんなときはどうしたらいいでしょうか?

「まず、家庭学習に使える時間をマーカーで囲って、『使える時間の見える化』をしましょう。その中で、やることに優先順位をつけて埋めていきます。もし、まだ基礎が不安的なものが多いなら、週末の志望校対策講座はカットしまってもいいと思います。秋はまだ1にも2にも基礎を埋める時期です。もうひとつぜひやってほしいのが、『ごほうびタイム』の設定。日曜夜の1時間でもいいです。1週間頑張ったことを親子でねぎらったり、リラックス時間があるとないとでは子どものモチベーションも大きく違ってきます。私の以前の教え子の中に、この時間を『家族でボードゲームをやる』時間にしているご家庭がありましたが、とてもいいと思います。秋は家庭内がピリピリしがちですから」(安浪先生)

 そしてスケジュール表通りに実行するためのもうひとつのコツ。スケジュールに書いた内容をひとつひとつ付箋に書いて、スケジュール表や目につくところに張っておくことが大事、と言います。

「このひと手間でよりやることが具体的に見えるようになります。やったら付箋をはがしますが、ボックスに入れておくことをおすすめします。受験生なら、受験本番までにこのボックスの中に付箋がたくさんたまるはず。それが、自分の自信につながるのです」(安浪先生)

 大人でも役に立ちそうな「安浪先生流スケジュール管理」。まずは親子でトライしてみてはいかがでしょうか?

中学受験 最短合格ノート (AERA with Kids Book)

安浪京子

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AERA編集部
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