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人生のキセキ 〜セブン-イレブンとともに

|20|井出 康太 セブン–イレブン戸田笹目2丁目店オーナー 新しい夢ある仕事を僕らがつくる

住宅や事業所が混在するこの町で商売をしようと決めたオーナーの井出康太さん(26)。
常連客も増え、やりがいを感じる日々だ(店の近くの笹目川で撮影)

高校時代から、アルバイトとしてセブン-イレブンで働きだした。
キャリアを重ね、自分が理想とする店をつくるために独立を決意。
工夫次第で結果が出るコンビニは、夢のある仕事だと思う。
応援してくれる父と二人三脚、新しいコンビニのイメージを描く。

企画・制作/ AERA dot. AD セクション

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中学進学の記念に父親の幸洋さんと。将来、自分が商売を始めるとは思っていなかった

 ふだんと変わりない一日だった。ひとり暮らしをしている息子の井出康太さん(26)が、ふらりと実家へ戻ってきて、父親の幸洋さん(55)とたわいのない会話を交わす──よくある親子の光景だ。

 だが、康太さんが言った言葉で空気は一変した。

「一緒にセブン-イレブン、やらない?」

 え? 康太さんがセブン-イレブンで働いていることは知っていた。だが一緒にって、どういうこと?

「オレ、会社どうすんだ? 冗談言うなよ」

 と、幸洋さんは軽く返したが、康太さんは真顔だ。

 幸洋さんは気を取り直し、考えた。

「息子とコンビニを経営する、そういう人生もアリかな」

 まもなく幸洋さんは、営業マンとして勤めた会社に退職願を出した。康太さんが25歳になる直前のことだった。

25歳までに独立したい

 人生の針路を変更することになったふたり。短い会話でよくまとまったと思うが康太さんは言う。

「自分で店を経営したい。ずっと前から考えていたことなんです」

 康太さんがセブン-イレブンで働きだしたのは高校時代。「近所だったから」という理由でアルバイトを始めた。接客の楽しさ、発注の奥深さなどを実感するうち、どんどん仕事が楽しくなった。卒業後、店の社員になって店長を務めるようになると、視点が変わった。

「ほかの従業員さんから仕事の悩みを聞く立場になって、どうすれば課題を解決できるのかとよく考えました」

「空いた時間も働きたい」「家の都合で休みたい」、従業員から出る声はさまざまだった。しかし、独断で店のルールを変えることは難しい。

「オーナーになって、どこよりも働きやすい店をつくろう」

 以前から、店の経営には関心があった。

「OFCさんとコミュニケーションをちゃんと取って、“セブン-イレブンの基本4原則”を徹底していれば、売り上げは必ず伸びますから」

 と、康太さんは言う。基本4原則とは、店の運営に必須なルール、「フレンドリーサービス」「クリンリネス(清潔さ)」「品ぞろえ」「鮮度管理」のこと。地道な作業だが、これらの徹底が集客につながると日々の業務で体感していた。

 独立を見据えた時、唯一こだわったのはタイミングだったという。

「契約して15年間働くんですから、コンビニ経営は、若いうちに始めたほうがいい。契約を更新することを考えると、遅くても25歳までには独立しなきゃ、って計画を立てたんです」

地元の従業員が即戦力

 計画遂行の鍵を握ったのが、冒頭の親子のやり取りだったわけだ。でも、なぜ康太さんは、サラリーマン歴が長い幸洋さんを商売の道へ誘ったのだろう?

「僕は独身だし、なんとなく」

 と、康太さんは話したが、勝算があってのことだろう。結果はあとでわかる。

 2019年1月1日、康太さんがオーナー、幸洋さんがマネジャーという肩書で「セブン-イレブン戸田笹目2丁目店」を、前経営者から引き継ぐ形でオープンした。計画通り、康太さんが25歳の時だ。若いので、幸洋さんがオーナーだとよく間違われる。でも、「康太のほうがコンビニを知っているから当然でしょ」と気にしない。

 聞けば、幸洋さんは「コンビニを利用するのは、コーヒーとたばこを買う時くらいだった」そうだ。だから、この店を康太さんが引き継ぎたいと言った時、内心は「少し心配した」という。

「人の往来は多いが、近くにスーパーがあるので大丈夫かと。そしたらアイツ(康太さん)、言ったんですよ。『コンビニのお客さんはモノを買いに来るだけじゃなくて、時間も買いに来る。スーパーとは違う使われ方をするから平気だ』と。はー、スゴイなぁと感心しました」

 と、幸洋さん。改めて、康太さんの商才に一目置いたという。

 康太さんの見立て通り、街道沿いの住宅地で常連客がついていた戸田笹目2丁目店は、リニューアルオープンすると一段とにぎわうようになった。何よりの宝は、前のオーナーのもとで働いていた従業員さんが、そのまま残ってくれたことだ。

「なじみのお客さまがいる地元の従業員さんの力なくては、僕らだけではこの町で挑戦できなかった」

 康太さんはそう振り返った。

これまでのコンビニイメージを変えていきたい。
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しっかり者の康太さん(左)と明るい父・幸洋さん(右・55)。親子パワーが店を盛り上げる

働きやすい職場に

 オープンして、まだ1年と少ししか経っていないが、売り上げは順調に右肩上がりだ。

 オーナーとして、真っ先に着手したのは、店長時代から構想を練っていた“従業員さんにとって働きやすい職場”の整備だった。全員と月に一度は面談をして「困っていることはないですか?」などと、声を聞く。そして、働くうえで役立ちそうなことは全部やる。

 例えば、バックヤードに従業員が気兼ねせず休憩できるイスを用意したり、私物を入れられる個人用のボックスを設置したり。新商品情報は、誰もが把握しやすいようにクリップボードごと壁につりさげるように工夫した。時間がある時、自由に閲覧できる。

 複数のコンビニで働いた経験を持つ従業員の吉田久美子さんは「こんなにやさしく、一人ひとりに気を配ってくれるオーナーは初めてです」と恐縮する。

 中でも従業員が「働きやすい」と声をそろえたのは、独学で労務の勉強に励んだ康太さんが「休みは自由」という働き方にこだわっている点だ。休みたい時に休ませてあげる事が、従業員さんが長く働くうえで大事なことだと考えている。

「そのフォローを含めても、僕も週40時間しか働きません。法律で決まっている1週間に40時間以内という労働ルールに沿っているだけ。今どき、普通のことですよ」

 と、康太さん。インドから来た従業員のハビバ・ウンマさんは、「子どもがいるので、急に休まないといけない時がある。でもオーナーが快くいいですよ、と言ってくださるので本当に感謝しています」と話す。

 長期休暇も、理由があれば構わない。例えば遠方へ里帰りする時は、数週間休んでもいいそうだ。これは幸洋さんもあと押し。「孫の顔を見たいご両親のため、ゆっくりしてきてほしい」と親心を見せる。こうして従業員の希望に気持ちよく応えることが“働く意欲”を育み、人出不足とは無縁だ。

 令和のライフスタイルを体現する康太さんと昭和のサラリーマン時代を熟知する幸洋さん、異なる人間力が店の運営にこれほどの相乗効果を見せるとは。

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店には長く勤める従業員が多い。吉田久美子さん(左)もハビバ・ウンマさんも「明るくて働きやすいお店。
これからも頑張りたい」と言う。康太さんと幸洋さんの心配りが、従業員のやる気につながる

お客さま視点の店づくり

 世代の違いだけじゃない。実は、幸洋さんの「コンビニのことはよく知らない」という感覚が、業務改善に一役買った。

 発注の精査、豊富な品ぞろえといった改革は着々と進めたが、幸洋さんのふとした言動が康太さんや従業員に刺さる。

「コーヒー一杯を買うのに、レジに行列ができていたら買う気なくなっちゃうよなぁ」

 すかさず「レジの行列ゼロ」活動を実施。お客さまがひとりでもレジに立とうものなら、誰もがレジに入るルールにした。すると「この店は精算が待たなくてすむからいい」と、お客さまの間で評判に。

 また、幸洋さんのこんな意見も店を変えた。

「どれがおすすめなのか、わからない」

 今、売り場では大小さまざまなPOPが購買意欲を高めている。

「父は本当にお客さま目線。感じたことを言ってくれるので頼りになる」

 と、康太さんは言う。すると横にいた幸洋さんが「だろ?」と、つっこむ。互いにリスペクトし合う、同志のような絆が深まっているのがよくわかる。

コンビニを夢の仕事に

一期一会

 改めて、康太さんにオーナーになった感想を聞くと「すべて計画通り」と言う。「社員さんを増員するし、売り上げも目標を超えてきた」そうだ。

 幸洋さんにも再度、聞いてみた。息子が若くして商売したいと言うと、一般的に反対する親が多い。そういった気持ちは本当になかったのか?

「そりゃ、サラリーマンになってほしいという気はありましたよ。でも息子を後ろから支えて、店を持たせてあげられるって、親として素敵なことじゃないですか」

 深い。聞いていた康太さんが言う。

「ありがたいです」

 幸洋さんはうれしそうだ。康太さんは、最後にこう続けた。

「最終的な目標は『コンビニなんて』というイメージを変えること。明るく働きやすい店をつくり続けて、コンビニをやりたい、という夢を持つ若い世代を増やしたい」

 目指すは、業界改革と大きい。意欲に燃える康太さんに向かって「いいこと言うねぇ、親の顔が見たいわ」と、幸洋さんが笑いを誘う。このふたりなら、きっと大丈夫だ。

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SHOP DATA

セブン-イレブン戸田笹目2丁目店

住所

埼玉県戸田市笹目2-7-8

特徴

2019年1月1日、前店から引き継ぎオープン。
20代のオーナーが働き方を改革、基本に忠実な運営で
成長を続けている。