
SNSでの集客が日常化してきた今、小規模店舗にとってもチラシのキービジュアルなどでクオリティーの高いデザインを作ることは必須。しかし、自分でデザインを作るのはかなりハードルが高い。その悩みを解決してくれるのがアドビのデザインアプリ 「Adobe Express」だ。「Adobe Express」の魅力や、使い方を体感できるワークショップの様子をリポートする。
■「技術がない」「予算がない」の悩みを解決するデザインアプリ
“〇〇映え”という言葉が象徴するように、視覚に訴えて人をひきつけることは、もはやビジネスに不可欠といえる時代。
飲食店や小売店にとっても人ごとではなく、日常的にチラシやポスターを活用したり、SNSに投稿したりして集客することが当たり前になっている。つまり、表現のクオリティーがダイレクトに集客に関わってくる。
しかし、そこで立ちはだかるのが「デザインの知識や技術がなく自分で作るのは難しい」「デザイナーに頼む予算がない」といった壁だ。
そういった個人経営者の悩みに応えるツールが登場。それが、アドビが昨年12月にリリースしたオンラインデザインアプリ 「Adobe Express」だ。
アドビといえば、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなど、プロのクリエイターのための製品を提供する会社というイメージが強い。しかし 「Adobe Express」は、プロではなくても簡単に“映える”デザインを作ることができる。
アドビは、東京・下北沢の商店街の店舗担当者を対象に、その魅力を体感できる無料のワークショップ「下北沢商店街×アドビ『まちの広作室』」を、今年7月から継続的に開催している。
10月26日に開催されたワークショップには、下北沢在住のイラストレーターの北沢直樹さんが登壇。自身も愛用しているという「Adobe Express」の使い方や魅力を参加者に解説した。

ワークショップの企画運営を担当したアドビ広報部・ソーシャルメディアマネージャーの永瀧一樹さんが語る。
「デザインの知識や経験がない人が自分でクオリティーの高いものを作るのはハードルが高いですが、SNSの投稿など日常的に用いるデザインについては、なかなかプロにお願いする余裕はないというお店もあるでしょう。
また、飲食店などのなかには新型コロナウイルス感染症の影響を受けた店舗も多く、これからお客さまを呼び戻すにあたり、商品の魅力を伝えるSNSやデザイン性のあるポスターをフル活用したいといったニーズもあるのではないかと考えました」
■ワークショップで作成したデザインを実際に店舗で活用!
イベントの開催場所として下北沢を選んだところにも理由がある。
「下北沢には飲食店やカフェ、雑貨店や古着店など多種多様な業態の店があり、独自のカルチャーを形成しているため、デザインに対しても多様なご要望があると考えました。様々なニーズを知り、今後、別の場所にもワークショップを広げていくことにつなげたいと思っています」(永瀧さん)
幸い、下北沢商店街もワークショップを開くことに好意的で様々な面で協力を得られたが、最初は参加者集めにかなり苦労したそうだ。
「そこで、一店舗ずつ足を運んでチラシを配りました。これまでにない経験でしたが、実際に店舗にお邪魔したことで、各店舗で普段どのようなチラシを用いているのか、どのようなデザインが求められているのかを知ることができた。それは大きな収穫でした」(同)

さらに、永瀧さんが実感したのが、商店街の人的ネットワークだ。このワークショップは、計7回開催しているが、口コミでどんどん参加者も増えていったという。
「『以前、ワークショップに参加した知人から内容を聞いて興味を持った』と言ってくださった方もいます。商店街の“口コミ力”をあらためて感じました」(同)
1時間半ほどのワークショップでは、参加者各自のスマートフォンやタブレットなどに「Adobe Express」をダウンロードし、解説を聞きながら実際に操作を体験。
使用するシーンに応じたテンプレートをはじめ、著作権フリーのストック写真などが豊富にそろっており、必要なものを選択していくだけで簡単に理想のデザインができあがる。
基本的な操作を学んだあとは、自分が作りたいものを実際にデザインし、プリントアウトして終了だ。
「後日、参加してくださった店舗に行ったら、ワークショップで作成したデザインをお店に貼ってくださっていたんですよ。それがすごくうれしかったですね」(同)
参加者からは「遊び感覚で、驚くほど簡単にチラシが作れる」「ちょっとしたポップやチラシならこれで十分」「プロに依頼する費用を考えると、その分、商品を値上げしなくてはならないが、自分で作れば価格面でお客さまに還元できる」といった声が聞かれた。

今回のワークショップの開催に協力した下北沢商店連合会副会長の金子健太郎さんは、次のように語る。
「私はボクシングジムを経営していて、これまで練習生募集のポスターなどは業者さんにお願いしていたんですが、『Adobe Express』で作ってみたら簡単にできました。テンプレートや写真がたくさんそろっているので、自分のイメージするものを表現できるのがうれしいです。また、参加者の方々にも喜んでいただけて、ワークショップを開催して良かったなと感じました。忙しくてなかなかワークショップに参加できないお店もあるので、今後はそういった方にも伝えられるように工夫したり、他のエリアの商店街仲間にも紹介したりしていきたいと思っています」
■SNSへの投稿を予約できるコンテンツスケジューラー機能
「Adobe Express」の大きな特徴として、TwitterやInstagramをはじめとするSNSへの投稿を意識した機能が充実していることが挙げられる。たとえば、Instagramのストーリーズ用のテンプレートは数多く用意されており、作成後、「Adobe Express」からそのままInstagramに投稿することができるのも便利だ。
SNSのビジネス利用においては、投稿するタイミングが重要であり、それが集客に直結することもある。とはいえ、接客中の忙しい時間帯に投稿する余裕はないというお店も多いのではないだろうか。
「『Adobe Express』には、コンテンツスケジューラー機能があります。SNSへの投稿日時をあらかじめ予約しておくと、その時間に自動的に投稿されるので、ぜひ活用していただきたいと思っています」(永瀧さん)
無料版と有料のプレミアムプランが用意されている「Adobe Express」。無料版でも数千種類のテンプレートやAdobe Fontsのフォントを利用でき、すぐに好みのデザインを作り始めることができる。また、プレミアムプランではすべてのテンプレートやストック写真コレクションにアクセスが可能だ。
干支や四季折々の風景など、季節を感じさせるテンプレートや写真なども多く、今後、テンプレートや写真はどんどん増やしていく予定だという。

■全国各地にワークショップを広げたい
日本のデジタル課題への取り組みとして、「リスキリング(学び直し)」を掲げているアドビ。今回のワークショップも、個人へのクリエイティブスキル強化支援の一環であり、誰でも直感的に操作できる「Adobe Express」は、リスキリングにまさにうってつけのツールといえる。
今後は、全国各地の商店街でワークショップを実施していきたいと永瀧さんは意気込む。
「また現在、ワークショップを開催するためのノウハウを詰め込んだ無料キットを開発中です。こちらを活用すれば、商店街をはじめとするコミュニティーでワークショップを主催していただくこともできるようになります。クリエイティブの力でビジネスを加速させたいと願う人のお役に立てるよう、これからも様々なアイデアやツールで、アドビと地域社会をつなげていきたいです」
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提供:アドビ