――とはいえ、息抜きをしたくなることはありませんか。

 今は、自分だけの自由な時間はいらないんです。子どもたちと過ごす時間が何より楽しくて。自分の友達と会うことも少なくなって、子どものお友達と家族ぐるみで遊ぶことが増えましたね。

――子育てで大切にしていることはありますか。

 子どもの思いに向き合うようにしています。言うことを聞かせるのはいくらでもできますが、それで子どもはどう感じるのかなと。先日も七五三のお祝いをしたのですが、息子の景寅はどうしても着物を着て神社に行きたくない、と主張したんです。親としては着せたい思いもありましたが、せっかくの本人のお祝い事なので本人の気持ちを大切にすべき、無理やりやらなくてよい、とスパッと決めました。そして、どうしたら楽しくお祝いできるかと思いついたのが、景寅が大好きなディズニーリゾートのホテルでの食事会でした。

アルミホイルを鉄に見立ててコスチュームを作る景寅くん(本人提供)
アルミホイルを鉄に見立ててコスチュームを作る景寅くん(本人提供)

――その景寅くん、工作が大好きとのこと。「好き」を発見するきっかけはあったのでしょうか。

 もともと、欲しがるおもちゃは興味があるなら手に取らせてみようと、制限することなく買っていたんです。どれでも買っていいというなかで、おもちゃ屋さんに行くと、たくさん買う日とまったく買わない日があるんです。なるほど、本人なりに興味の基準がきちんとあって選んでいるんだなと、感じていました。景寅が3歳になったあるとき、はっきりと言ったのが、「おもちゃ屋さんに欲しいものはもうない」。よくよく聞くとそれは、自分が本当に欲しいものはこの世にない、という意味だったようです。じゃあ、「作ってみたら?」と提案したのが工作の始まりなんです。ここ2年ほど、毎日工作しています。

景寅くんの朝はコスチューム作りから始まる(本人提供)
景寅くんの朝はコスチューム作りから始まる(本人提供)

――どんなものを作るんですか。

 景寅の朝は、その日に着たいコスチューム作りから始まります。全身ロボットからタイヤや植物と、毎日変わります。段ボールを使って上下のコスチュームに、ベルト、武器といったアイテムまで作り込みます。1回に3、4時間は集中してやり続けるので、時間があるときは家にこもりっぱなしのことも。気分転換や運動のために、意識的に外に連れ出すようにしています。

NEXT景寅の助手みたいになってます
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