子どものころから根っからの人間好きで目立ちたがり屋。小学校時代は学級委員長、児童会長、応援団長までこなす人気者だったというアソビュー株式会社・代表取締役CEO山野智久さん。ある種の理想ともいえるキャラクターですが、花まる学習会代表の高濱正伸さんとの対談では、当の本人は「メンタルが強いほうではなくて……」と語るのでした。発売中の「AERA with Kids 2022年夏号」(朝日新聞出版)から抜粋してお届けします。

MENU ■「井の中の蛙」でいられたからこそ自己肯定感が培われた ■トップをとって自信をつけるって大切

*  *  *

高濱 山野さんとは、各界のリーダーが集まる合宿で初めて会ったんだよね。

山野 はい、ビジネス界だけでなく、NPOやスポーツ、芸能など各界からいろいろな方が集まっていましたね。

高濱 そうしたらその中に1人すごく目立つやつがいて、それが山野さん。なんだあこいつ?って感じで(笑)。でも大勢の人が一堂に会する場では正直覚えられない人もいる中、たとえ悪目立ちでも印象に残るってアリかも。

山野 はい、あれ「あえて」なんです。

高濱 マジ!? 意図的だったんだ!

山野 僕はあの場に数少ないITベンチャーの経営者の一人として参加していましたが、その中でもさらに若造かつ初参加だったのでアウェー感がかなりありました。だからこそ、とにかく名前を覚えてもらって、少しでも話しかけてもらおうとしたんです。目立ち方に好き嫌いはあれど、忘れられてしまうよりマシなので。

高濱 確かに無難にのりきって目立たないより、何かしらエピソードを残して覚えてもらうのって大切だよね。これは子どもの世界でも言えるなあ。

山野 そうですね、そのおかげなのか、そのあとトークセッションの進行役を指名していただけるようになりましたし。

高濱 面倒なことをやりたがらない人って多いけど、あえて何かを担うのって大切だよ。結局は自分のためになるし。そうか、あれは狙ってたのか……もしかしてずっとそうやって生きてきたの?(笑)

著者 開く閉じる
篠原麻子
篠原麻子

NEXT学級委員や応援団長も経験
1 2 3 4