今年3月に発表された新学習指導要領で、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることが明示されました。数年前からプログラミング教育への関心は高まっていたものの、必修化後には小学校でどのような授業が展開されるのでしょうか。

『AERA with Kids2017冬号』(朝日新聞出版)では、文部科学省の担当者に、必修化のポイントについて取材しました。そこからわかったのは、必修化と聞いて親が思い込みがちな3つの勘違いでした。

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■「プログラミング教育必修化」の勘違い(1)
「『プログラミング』という新しい教科ができる」は勘違い!

「必修化されたからといって、新しく『プログラミング』という教科が作られるわけではありません」

 そう話すのは、学校におけるプログラミング教育の普及・推進を主な業務とする文部科学省の稲葉敦さん。

 そのため、教科書もなければ、試験で評価されることもありません。

 プログラミング教育は、算数や理科、総合的な学習の時間など、すでにある教科の中で実践されることになっています。ですから、具体的にどの学年のどの教科・単元で、どれくらいの時間数でプログラミングを扱うかは、各学校が判断します。

■「プログラミング教育必修化」の勘違い(2)
「プログラミングの授業では、プログラミング言語の使い方を覚える」は勘違い!

「プログラミング」と聞いて、子どもたちが難しいプログラミング言語をコンピューターに打ち込んでいくのかと想像する人も多いでしょう。しかし、稲葉さんはこう断言します。

「必修化にあたり、はっきりお伝えしておきたいことは、小学校のプログラミング教育は“プログラマーの育成が目的ではない”ということです」

 小学校段階におけるプログラミング教育の目的は、プログラミング言語の使い方を覚えることではありません。文部科学省は、プログラミング教育を通じて育成すべき資質・能力を“プログラミング的思考”という言葉で表現しています。

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AERA dot.編集部
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