同館最大の水槽の掃除が終わると、吉国さんの近くにハタ科の魚が5匹ほど集まってくる。クエに手を伸ばしエラをなでると、口を開けて、気持ちよさげだ。ほかの魚も、じっと順番を待つ。

 ダイバー歴5年の吉国さん。3年ほど前、ヤイトハタの口の周りの寄生虫を指ではらってやると、その後、ほかのハタ科の魚も目が合うと寄ってきたり、ついてきたりするようになった。寄生虫がいなくなっても、触ってほしそうに近づいてくるという。

 魚をマッサージするダイバーはほかにもいるが、吉国さんの人気は群を抜くという。

■希少なサンショウウオがプールに大量発生(2017年5月25日 佐賀県)

 佐賀県唐津市の市立名護屋小学校で夏の水泳の時期を前にプール掃除をしたところ、希少種のカスミサンショウウオが数百匹も見つかった。毎年オタマジャクシやヤゴにまじって数匹は発見されるそうだが、今年は数がケタ違いに多い。

 カスミサンショウウオは体長10センチ前後で灰褐色。同小のプールを囲む雑木林が格好のすみかになっているようだ。春先に、教材にするために中学校の理科の教師がこの一帯を探したが、そのときは見つからなかったという。今回、大量に現れた理由については、先生たちも首をかしげている。

 多くは水を抜く際に排水口に吸い込まれたが、子どもたちがつかまえたうちの約30匹を学校の水槽で飼うことにした。

※月刊ジュニアエラ 2017年9月号より

ジュニアエラ 2017年 09 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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