オメガは単にウォッチメーカーのひとつにとどまらず、他のジャンルとのクロスオーバーを積極的に行ってきた。月面着陸、オリンピック、南極探検などでは実際の時計や計時技術などが使われ、その高い精度と耐久性の訴求に成功している。さらに近年ではさまざまなイノベーティブな企業やNPO団体とのパートナーシップにも取り組んでいる。
オービス インターナショナルもそのひとつ。主な活動は目の疾患の予防と治療だ。医療の発展がもたらす恩恵は、地球レベルでは著しい濃淡がある。経済状態や食生活、医療体制の不備により、発展途上国での眼病の割合は高い。オービスはこうした国々への支援を実施しており、1982年の創設以来、95カ国以上で治療と眼科医たちへの先進的なトレーニングプログラムを提供してきた。そして彼らの活動の拠点となるのが 航空機MD-10を使用した“空飛ぶ眼科病院”(Flying Eye Hospital)。今年4月に日本に初上陸した際、オメガが実施した関西国際空港での機内見学ツアーは大きな話題を呼んだ。
オービスのスタッフはこの飛行機で十分な眼科治療が行われていない世界のへき地へ赴き、飛行機内でのオペなどを通じて各地の外科医、看護師、麻酔科医、生物医学エンジニア、地域の医療従事者への教育と啓蒙に努めてきた。機内には高性能な医療機器のほか、3Dでライブ配信できる通信インフラを備えており、現地では難しい手術の模様を機内の座席でリアルに見学できるのが画期的。いわば眼科治療の前線を担うプラットフォームだ。
オメガの支援は2011年から。最初は「Through Their Eyes」というドキュメンタリー映画で、オメガのブランドアンバサダーであった俳優のダニエル・クレイグが、モンゴルで活動する“空飛ぶ眼科病院”を訪れた様子を追ったものだ。目の病気に悩む子ども、手術に臨む本人と家族の不安、地元の医療関係者の真摯な姿勢、そして手術の成功がもたらす歓喜が収録されており、スクリーン上のジェームズ・ボンドとは異なるクレイグの感銘を受けた表情が印象深い。
続いて2015年には、長年に渡ってブランドアンバサダーを務めるシンディ・クロフォードが愛娘とペルーを訪れた「The Hospital in the Sky」も公開。さらに俳優のニコール・キッドマンやエディ・レッドメイン、競泳のマイケル・フェルプスなどのアンバサダーたちも支援している。オメガを愛し、オメガに愛されたセレブリティたちの視線は、オービスの活動へ耳目を集める大きな飛躍となった。
オメガ社長兼 CEO のレイナルド・アッシェリマン氏は次のように語る。
「飛行機は常にどこかへ向けて出発しますが、今回の出発は特別な意味を持ちます。”空飛ぶ眼科病院”には、訓練を受けたプロフェッショナルたちが搭乗しており、彼らは暗闇の中で暮らす人々に視力という贈り物を届けています。オメガがオービスのかけがえのない活動を支援するという、重要な役割を担えることに心から喜びを感じます」
オービス インターナショナル代表取締役社長のデレク・ホドキー氏は深い謝意を表明している。
「オメガと私たちのパートナーシップは 12年目を迎えました。オメガと素晴らしいブランドアンバサダーたちからのこれまでのサポートに心から感謝しています。治療にやってくる子どもたちのために、機内にはたくさんのテディベアが用意されており、これもレイナルドとオメガチームのサポートのおかげです」
五感の中でもっとも生活に密着しているのは視覚だろう。これをなくす、もしくは著しく弱くなることはQOL(生活の質)の低下を招かざるを得ない。そして病に国境があってはならない。失明という重篤な疾患を減らすべく、さまざまな機器を積んで世界中の空を飛び続けるオービスの試みは、グローバルでイノベーティブな偉業だ。宇宙やスポーツを通じて新しい豊かさを提案し続けるオメガは最高のパートナーといっていい。
MD-10は大阪からベトナムのカントー市へ旅立った。新型コロナウイルス感染症のパンデミック後では初のフライトである。かの地でまた多くの人が光を獲得するきっかけになるだろう。今後もオービス インターナショナルとオメガによるボーダレスな活躍に注目していきたい。
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