「ランドセルの置き場所の近くに、毎日持っていくハンカチや給食袋があれば忘れ物をしないですし、お稽古バッグやリュックも、子どもが学習をする場所の近くに大きめの箱などを置いておけば子どもは片付けやすい。家族のバッグの置き場所をまとめて1か所にしてしまうと、片付けるのは結局お母さんになってしまいます」(村上さん)

 また、家族のものが混ざらないよう、棚の各スペースやチェストの引き出しの場所を担当制にして、どう入れるかは個人の管理に任せる、という方法もあります。個々が好きなように入れるので中は多少雑然としますが、「自分のものはここに入っている」という自己管理意識も高まるし、「細かく仕切るほうがいい」「ざっくり入れるほうがいい」など自分に合った収納方法を見つけるチャンスにもなります。

 次に散らかりストレスナンバー2の文房具についてです。鉛筆が床に落ちていて踏みそうになったり、いつも「ハサミがない」と探したりしていませんか? これらの収納も大人と子どもの収納先を分けて場所を作るのがおすすめですが、そのときに大切なのが、「ときどき全体量の把握をすること」だと、整理収納アドバイザーでリビング学習を継続中の大木聖美さんは話します。

「文房具はほとんどが消耗品なので、不足分は買い足していかなければなりません。だからといって全体量がぼんやりしたまま新しいデザインや機能にひかれて文房具を買い足すと、量が増えてしまい、収納場所に収まらなくなってしまいます。それぞれの場所に足りているかそうでないかを見るとムダな出費もおさえられるので、3カ月に一度など目安を決めて確認するといいですね」(大木さん)

 すでに「文房具が多すぎる!」という人は、いったん全部出してみて、一緒に「今使う物」「処分するもの」「使わないけど捨てられない物」に分けてみましょう。捨てられないものは一時待機用の箱やパウチの袋などに入れてストックしておくと、別の機会に使ったり処分したりしやすくなります。

「適量を心がけ、各自収める場所を決めて元の位置に戻りやすくする」これがリビング学習の収納のコツと言えそうです。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 春号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子,tomekko

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AERA dot.編集部
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