人口減少もあり、働き手としての外国人移住者が急増している日本。外国人と一緒に暮らすことで、困ることてあるのだろうか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』のキャラクター、コビンが、日本国際交流センター執行理事・毛受敏浩さんに話を聞いた。
■トラブルは減らせる
コビン:コンビニのレジで、外国の人が働いてるの、見たことあるよ。でも、「外国人が増えると、犯罪が増えて心配だ」と言う人もいるでしょ?
毛受敏浩(以下、毛受):データによると、外国人が増えても検挙数は減っているよ。2005年と比べて、15年は7割以上減少しているんだ。
コビン:外国人がゴミ出しのルールを守らないとか、困ることはないの?
毛受:それは、初めにきちんと説明すればいいことだね。国によって暮らし方や文化がちがうのは当然のことだ。だから、生活のルールやマナーなどを、映像や図で見せて説明すれば、トラブルはなくなるはずだ。
コビン:外国人が増えると、日本人の仕事がなくなるってことはないの?
毛受:日本は今、深刻な人手不足だ。日本の若者があまり働きたがらない農業や建設業、介護などの職場で外国人が働いているから、やっと社会が回っているのが現実だよ。
■日本人が仕事を失わないようにする方法はある
毛受:それに日本人の仕事を奪わないようにする方法はあるんだよ。
コビン:どんな方法なの?
毛受:韓国では、企業が人を募集するときに、まず自分の国の人を募集する。それでも集まらないときに、外国人の募集をするという方法をとっているよ。
コビン:そうか。それなら、日本人の仕事がなくなる心配はないね。
毛受:外国人が働くようになると、「日本人の給料が下がる」と心配する人もいるけれど、それも間違った見方だよ。受け入れる人数をきちんと決めて、賃金が下がるほどの人数を受け入れなければいいんだよ。
コビン:えっ、そうなの?
毛受:日本には定住する外国人を受け入れる制度がない。それが問題なんだ。
コビン:じゃ、どうすればいいの?
毛受:一般的な労働者でも条件をつけて、正式に受け入れたほうがいいと私は考えている。たとえば、日本語のレベルや学歴、職業経験のある人を受け入れると、決めることはできるんだ。それで来てくれる人には、日本人と同じ条件で働いてもらえばいい。
コビン:それなら、いいね。
毛受:留学生に話を聞くと意欲が高くて、「自分の会社をつくりたい」という人が多い。だから、外国人が新しい仕事をつくってくれるかもしれない。それに、日本の若者たちが刺激を受けるのもいいことだね。アメリカでは移民たちがIT産業をリードしているし、日本でもソフトバンクの孫正義氏は韓国系の人なんだよ。
コビン:へえ、知らなかった!
毛受:だから、子どもたちには、日本に住む外国人と仲よくなることをもっと考えてほしいな。
コビン:それって、楽しそうだね。
【日本に住む外国人と仲よくなる方法】
(1)相手の国の言葉や文化に関心を持とう!
(2)外国人の友達に自分から話しかけてみよう!
(3)日本の習慣や文化を教えてあげよう!
(4)いろいろな国の言葉や文化・習慣に興味を持とう!
(5)一緒に遊んだりスポーツをしたりしよう!
※月刊ジュニアエラ 2017年11月号より