新型コロナウイルスの感染拡大により、世界では15億人以上の子どもが学校に通えず、不自由な生活を送っているという。そのなかで子どもたちは日々どのように学習し、暮らしを楽しんでいるのだろう? 小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」6月号では、オーストラリア、オランダ、フランスからのリポートを紹介した。

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 オーストラリア・ブリスベンの学校では、親が外で働かなければいけない子ども以外は自宅学習が続いた。その他の外出もかなり制限され、レストランはテイクアウトのみだし、映画館やゲームセンターなどの娯楽施設は開いていない。公園などでも家族以外は3人以上で集まってはダメ。友達を家に呼べるのも、一回に2人まで(4月2日までは1人でも呼べなかった)。遊ぶときも、1・5m以上離れなければいけない(各ルールは州によって異なる)。

 子どもたちも欲求不満がたまっている。一人っ子は孤独を感じ、きょうだいがいる家でもストレスからケンカが絶えない。それでも……子どもたちは考えた。困っているのは自分だけじゃない。ほかの子どもたちも困っている。大人の中にも仕事がなくなって困っている人がいる。そしてなにより、新型コロナウイルスに感染して大切な人を亡くした人もいれば、現在闘病中の人もいる。そんな人たちに元気と勇気を与えることが、僕たち私たちにもできないだろうか─。

 そんな気持ちから、子どもたちが歩道にチョークで絵やメッセージを描き始めた。明るい色の絵や図柄で、みんなを明るい気持ちにさせるもの。「安全でいてね」「笑顔を忘れずに」「楽しんで」といったメッセージを見て「がんばろう」と勇気づけられたり、ウルッとしたりする大人たちもたくさんいる。このチョークアートはオーストラリア以外でも、世界中で行われているようだ。

 子どもたちは守られるだけの存在じゃない。世の中をステキにするために、子どもたちができることもある。立ち上がれ、子どもたち! いや、しゃがみこめか!?

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