自宅で学び、卒業できる選択肢がありながらも、自ら高校中退を選んだ息子。一方、娘は、高校在籍中に短大の卒業資格を得るプログラムに参加し、通学とオンラインの両方を活用したハイブリッド教育で高校を卒業しました。


ひとつの正解だけじゃなくていい
高校中退後、車やバイク、自然が大好きな息子は、洗車場でのアルバイトや、金属塗装の工場で作業をしながら、興味を活かせる環境の中で成長を続けてきました。現在はパワースポーツ専門店(バギーやオフロードバイクなどのレジャー用エンジン車を扱うディーラー)に就職し、お客さまにバイクの魅力を伝えながら、自分の好きな分野で仕事を楽しんでいます。
一方、娘は高校卒業後、大学院まで進み、法律事務所でパラリーガル(弁護士のサポートをする専門職)として働いています。
2人とも今では成人し、経済的にも自立して、それぞれの人生をエンジョイしています。
アメリカのように「どう学ぶか」を自分で選べる文化を知ると、「ひとつの正解だけじゃなくていいんだ」と、少し心がゆるみます。
子どもが学校に行けない日があっても、「この子なりのリズムで学ぶ力がきっとある」と信じて見守る。そんな視点が、親としての心にも小さな余白を与えてくれます。
子どもに合った学びのかたちは、いつだって見つけられる。そう信じられる社会に向けて、まずは大人のまなざしから変えていけたら。それもまた、大切な「教育」の一歩なのかもしれません。
※前編<「不登校」をめぐる日本とアメリカの違いとは? 学校に行かないことは「選択肢の一つ」にしかすぎない>から続く
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