首都圏に300校以上ある中高一貫校。わが子に合った志望校を選ぶためには、教育方針や校風、進路実績など、それぞれの学校の特徴をよく把握することが大切です。偏差値だけではわからない学校の強みを知るために、首都圏の中高一貫校をさまざまな視点から評価したランキングを見てみましょう。本稿では、伸び伸びとした教育を行っている学校のランキングを紹介します。
【ランキング】伸び伸びとした教育を行っている中高一貫校はこちら(全2枚)「伸び伸びとした校風」で育まれるものとは
中学受験では我が子に合った校風の学校を選ぶことが大切ですが、校風を語る際に「伸び伸びとした校風」という言葉が使われることがあります。一言で「伸び伸びとした」と言っても、学校によってその特徴はさまざまですが、制服や厳しい校則がなかったり、学校行事やクラブ活動が生徒主導で企画運営されていたりする学校などが、伸び伸びとした教育と評される傾向にあります。
「伸び伸びとした教育を実践している学校では、生徒が自分で判断して行動することが求められるので、自主性が育ちます。校則がなかったり少なかったりする学校では、学校から強制的に押し付けられることがない分、生徒たちが自主的に学校のルールや秩序をつくっているケースもあるようです」(大学通信情報編集部・大野香代子さん)
今回は、「中学受験のプロ」である首都圏の学習塾に「伸び伸びとした教育を行っている中高一貫校」についてアンケート調査を行い、303学習塾の塾長、教室長の回答から作成したランキングを紹介します(2024年、大学通信調べ。学校名を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計)。


1位は「自由・自主・自立」を教育目標とする伝統校
1位に選ばれたのは、麻布(東京都港区)です。1895年に江原素六(えばらそろく)によって設立された男子校で、中学受験の男子御三家としても知られています。「自由・自主・自立」を教育目標に、自由闊達な校風が伝統となっており、制服や明文化された校則はありません。自由な校風の代表として語られることも多い学校です。春の文化祭や秋の運動会は、自主活動の一環として、全校生徒から選ばれた実行委員会が中心となって企画運営されています。特に文化祭は自治活動最大の行事で、特設ステージでのイベントや有志グループらによる展示、コンサート、演劇、討論会など、それぞれの生徒が個性を発揮して多彩な催しが行われています。
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