PTAもバンドもチームプレー

――まさに、ミュージシャンであるユカイさんだからこそできたことですね。

 自分だけじゃなく、川原さん、楽曲を合唱曲にアレンジしてくれた山川恵津子さん、合唱をしようという提案を後押ししてくれた先生方やPTAの役員、保護者の方など、たくさんの人の協力があって実現したことです。

 あともう一つ、うちの小学校の卒業生に画家の小松崎徹郎さんがいるので、彼にお願いして、150周年の記念に校舎の壁に子どもたちと共作で大きな凰の絵を描いてもらおうという提案もしたところ、これも周りの人たちがすぐに実現に向けて動いてくれました。ほんとすごいんですよ、うちのPTAのチームワークは。コロナ禍を乗り越えたことで「面白そうなことは、どんどんやっていこう」という思いが、みんなの中で高まっていたのかもしれません。今、学校全体がキラキラしているのを感じます。

――チームワークが重要という点では、PTAとバンド活動には共通点がありそうですね。

 それはありますね。基本的に、俺はワンマンな人間ではありません。バンドでデビューしてソロになったときは、何でも1人でできると勘違いした時期もあったけど、そこでいろいろな挫折を経験して、自分はチームプレーが向いている人間だと気付きました。メンバーそれぞれが得意なことを持ち寄って、苦手な部分は補い合う。バンドもPTAも、その点は同じです。

息子たちに「あいさつはデカい声出せよ」

――ユカイさんの得意なこと、不得意なことはなんでしょうか?

 自分はみんなが楽しんでくれること、喜んでくれることを考えるのは得意だけど、時系列でやるべきことを整理したり、スケジュールを管理したりするのは苦手なので、PTAでもたくさんの人の手を借りました。だからこそ、自分も周りの人たちのためにできることをしたいという気持ちがさらに強まったように思います。PTAはParent-Teacher Associationの略語で、保護者と先生方をつなげるのが役割。会長として率先して笑顔でいようとか、話しやすい雰囲気を作ろうとか、そういうことは努力してきたつもりです。

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