――副会長を経験したとはいえ、会長職はさらに大変だったのでは?
「コロナも落ち着いてきたし、行事も増えて忙しくなりそうだぞ」と覚悟してはいましたが、本当にそのとおりになりました。他の委員の方たちと連携を取りながら決めなければならないこともたくさんあったし、参加しなければならない会議も多い。他の地域のPTAから研修会や講演に誘われることもあり、何かと出番は増えましたね。
でも、幼稚園のときに何もできなかったという後悔があったから一生懸命やりたかったし、周りには助けてくれる人がたくさんいました。通常副会長は2人なんですが、自分が会長になったとき、その枠を1人増やして3人にしてくれたりね。本当に助かったし、心強かったです。仕事とPTAのスケジュールがどうしても合わないときも、いつも助けてもらいました。
父としての思いをつづった歌が合唱曲に
――会長としての仕事で、最も印象に残っていることは何でしょうか?
たくさんありますが、何か一つということであれば、今年開催される学校の創立150周年記念事業ですね。6月に開催される式典では、自分が歌詞を書き、2014年にNHKの「みんなのうた」で放送された「ムクロジの木」という曲を、子どもたちが合唱してくれます。「ムクロジ」は漢字で書くと「無患子」。子どもの無病息災を願って、昔は神社や学校に植えられていたそうです。長年ロックを歌ってきましたが、子どもを授かり、父親になった気持ちも歌ってみたいと感じていたときに「みんなのうた」のお話をいただき、家族のつながりや子どもたちの未来への思いを込めて書きました。
作曲者の平井夏美さんこと川原伸司さんは、井上陽水さんの「少年時代」や松田聖子さんの「瑠璃色の地球」も作った方です。以前、川原さんから「少年時代、瑠璃色の地球、ムクロジの木は、3部作なんだよ」って聞いて以来、ムクロジの木も他の2曲同様、合唱曲にならないかな……と期待していましたが、いくら待っても実現しないんで(笑)、だったらこの機会に、と思ったわけです。
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