英語入試の実施方法は、学校によってさまざまだ。必須科目のひとつとして国・算・英などのように他教科と組み合わせたり、あるいは選択科目として選ばせたりする方法もある。
「ペーパーテストだけでなく、英語を使ってゲームをしたり、自己アピールを英語でしたりするなど、アクティビティー形式に寄せている学校もあります」」(高橋さん)
英検などの資格を選考に利用する学校も多い。点数として換算したり、英検2、3級の資格保持者には英語試験を免除したりするケースも。最近増えているのが2科(国・算)、4科(国・算・理・社)の合計に、英検の級に応じて5点や10点を加算するというやり方だ。国立の筑波大学付属駒場と筑波大学付属でも、22年度入試から、志願者の報告書に従来の8科に加えて英語を追加した。
入試レベルも学校によって差がある。
「英語入試を課している学校の先生方に聞くと、受験者の英語レベルは年々高くなっており、英検2級程度の受験生が増えていると話しています」(高橋さん)
慶応湘南藤沢や広尾学園のインターナショナルコースアドバンストグループでは、準1級程度の問題が出題されるという。
一方、22年度入試より、江戸川学園取手が英語を教科型と適性型入試の必須科目にしたことで注目された。サピックスの教育事業本部本部長・広野雅明さんは、次のように話している。
「これまでの英語入試は難易度が高く、英語が得意な受験生にとって、英語を選択できることで受験がしやすくなるという役割も担っていた。それが受験生全員に英語を課す、新しい入試が始まったと言えます」
江戸川学園取手の英語の入試問題は小学5~6年で習う内容に準じており、難易度はそれほど高くなかったようだ。受験生全体の平均は50点満点中46点で、合格者はほぼ全員が満点に近く差がつかなかったという。
同校入試担当の遠藤実由喜先生は「小学校の教科として必修化されたことを受けて、22年度より入試に取り入れました。英語に興味・関心を持ち、かつ小学校の授業を大切にしてほしいという、本校のメッセージ。20分のリスニングの試験で特別難しい問題ではありません。楽しんで挑んでほしい」と話す。
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