もうすぐ子どもたちの夏休み。夏休みといえば、憂うつなのが宿題の定番「自由研究」。毎年、結局親が手伝って、期限ぎりぎりになんとかセーフ!というご家庭も多いのではないでしょうか。発売中のAERAwithKids夏号では、自由研究を特集しています。

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 そもそも、なぜ夏休みに「自由研究」が宿題に出されるのでしょう。

「学校では科学への関心が高まり、教える内容も増加傾向にあります。しかし、個々の興味に合わせた実験や観察をさせる時間が十分に確保されないのが実情です。そこで、たっぷり時間のある夏休みに、自分の興味のあるテーマでじっくり研究に取り組む。そこでより深い『学び』が実現すると考え、夏休みの課題に出す学校が多いのです」

 こう話すのは、自由研究にまつわる編著書を多数もつ昭和女子大学人間社会学部准教授の白數哲久先生です。

「自由研究は、しっかり取り組むことで子どもが大きく成長するチャンスになります。自分でテーマを決めて下調べをして、研究の方法やスケジュールを考えて……と一連の流れを見ると、自由研究には『自分で考える』学びに必要な要素が満載。自主的な学びのスキルを習得する、絶好のチャンスなのです」

 白數先生は、子どもが自分で考える自由研究には4つのポイントがあると話します。

(1)テーマは子どもが「やりたいこと」

 自由研究の要となるテーマは、子どもが本当に興味を持っていること、好きなことを。「もっと知りたい!」という思いが、研究を発展させます。そこで、やりたいことを10個リストアップさせてみましょう。リストを親子で一緒に見ながら、「できそうなもの」「ちょっと難しいもの」「難しいもの」を相談すると、テーマをしぼりこむことができます。

(2)「なにを調べるか」がイメージできている

 研究の方法やまとめ方。ここがしっかりイメージできていないと、なんとなくぼんやりとした研究で終わってしまう可能性大。イメージをつかむには、研究の対象について書かれた本を、図書館でたくさんチェックすること。ネットは情報量が多くても、中には信憑性のないものもあります。その点、情報が精査された本は、まとめ方の参考にもなるのです。

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AERA編集部
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