さらに横山先生はそのときの親の関わりを下の3つに分類しました。

(1)「報酬提供者」になる
「◯◯をやったら、△△をあげるよ」というように、「縦の関係」になって子どもを誘導する方法。即効性は期待できるが、報酬に慣れてしまうと効果が薄くなってしまうことも。

(2)「伴走者」になる
「よし、じゃあ一緒に◯◯で遊ぼう」というように、子どもよりやや先の位置に親が立ち、「斜めの関係」で子どもを誘導する方法。子どもがやらされ感を感じないですむので拒否感がなくなる。

(3)「仲間」になる
「◯◯ってどれくらいの大きさなんだろうね」というように、子どもと同じ目線に立って、身の回りにある数字や図形に注目し、思考する方法。子どもの興味を引く最もよい方法。

「例えば、長さや重さの単位でつまずく子は多いのですが、これこそ親子が“仲間”になって体感してほしいですね。たとえば、私がよくやるのが、『1メートルの長さを測るワークショップ』。1メートルの長さのテープを用意し、身の回りの中でどんなものが1メートルになるかを調べるワークです。これは部屋の中だけなく、外に出てやっても面白いですよ。自動販売機の横幅が約1メートルであることを発見した男の子は興奮しながら報告してくれました。このようなワークなら家庭でもできますし、100グラムの重さのものを見つけるなど、応用もできます。メジャーやはかりがたちまちおもちゃになります」(横山先生)

 セミナーでも、紙を使って天井までの高さを測る方法を考えたり、電卓を使った数のマジックを行なったり、身近なものを使った算数のワークショップを行いました。

 参加者のみなさんからは、「算数が苦手な子どもでも楽しく学べそうな方法がいろいろあることがわかりました」「日常でも数字や図形を意識した生活を心がけたいです」などの感想があがりました。

『AERA with Kids特別編集 算数センスを伸ばす本』では、横山先生発案の「算数センスを伸ばす遊び」を多数掲載。ぜひ参考にしてみてください。

横山明日希
math channel代表。算数の楽しさを伝えるイベントを多数開催。著書に『算数脳をつくるかずそろえ計算カードパズル』(幻冬舎)など多数。

【AERA with Kids 特別編集】算数センスを伸ばす本 (AERAムック)

朝日新聞出版

【AERA with Kids 特別編集】算数センスを伸ばす本 (AERAムック)
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AERA編集部
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