最近、姿勢の悪い子どもが増えています。でも「姿勢が悪いよ」と声をかけるだけではなかなか元には戻りません。ゆがんだ姿勢のままだと、頭や首、腰の痛みのほか、集中力低下や疲れやすいといった心の不調など、さまざまな悪影響が出ることも。『AERA with Kids夏号』(朝日新聞出版)では、すぐに姿勢が改善される2つの方法について紹介しています。

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 姿勢の悪さは、病気やけがのような緊急性がないため、わざわざ病院に行くことがありません。子どもは注意されて、その場では直すものの、すぐに元どおりというケースがほとんどです。しかし、今の子どもたちの姿勢の悪さは、深刻さを増しているのだとか。

「今の子どもたちは家の中で遊ぶ時間が多く、圧倒的に筋肉が鍛えられていません。加えて受験などによる長時間の勉強、そしてスマホや携帯型ゲームなど、長時間前かがみの姿勢でいることが癖になっています。これが体をゆがませ、さらに悪い姿勢へと導いてしまいます」

 こう話すのは、理学療法士の田舎中真由美(たやなか・まゆみ)さんです。

 姿勢が悪いまま成長するとどうなってしまうのでしょうか。

「体の正しい動かし方や正しい筋肉の使い方を覚えられないまま大きくなってしまうと、スポーツで思わぬけがをしたり、腰痛や肩こりといった症状を抱えたりすることも大いにあり得ます。背中を丸めることでおなかが圧迫されて便秘になることもあるし、血液の循環が悪くなって疲れやすくなることも。でも、体の柔らかい小学生の今なら、すぐに矯正可能なので、症状が出る前にこまめに姿勢をリセットし、正しい姿勢にもどるようにしてあげたいですね」
 
 では、どんなことをすれば姿勢がよくなるのでしょうか? 田舎中さんがおススメするのは以下の2つです。

(1)腹式呼吸

 姿勢は、呼吸と深い関係があります。人は、正しい姿勢でいるときは胸が開いた状態にあり、自然と深い呼吸を行っています。深い呼吸=腹式呼吸ができているということ。腹式呼吸を続けることで、体が正しい姿勢をキープできます。

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AERA編集部
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