小中学生向けのニュースマガジン「ジュニアエラ」6月号では、テレビ朝日のアナウンサー竹内由恵さんに、子どものころについてインタビュー。小学4年生から中学3年生までを海外で過ごした竹内さん。さまざまな国での出会いが、今に、どんな影響を与えてくれたかを語ってくれた。
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小学校4年生のときに父の仕事の関係でニューヨークに引っ越しました。
実は、行く前はちょっとウキウキしていました。当時私はアトピー性皮膚炎が大変な時期で、まわりの人と違う見た目を気にしていました。だから、アメリカには髪が赤い子や、そばかすの子、肌の色もいろいろな人がいると聞き、「私のアトピーも変わったことじゃないのかな」と思えたんです。でも、実際、向こうに行ったら、(見た目のことよりも)英語に苦戦しました。ABCを全部言えないレベルだったので、当然話せないし、みんなが何を言っているかもわかりません。
それでもなんとかしてコミュニケーションをとろうと、私がみつけた方法が絵でした。といっても、私の絵がとくにうまいのではなく、日本の子は比較的、絵が上手なようで、絵を描くとすごいねってほめてくれるんです。それがうれしくて、友達と一緒に登った木の上で絵を描いたり、一緒に歌ったり。ワイワイとおしゃべりはできないけれど、それとは違った楽しみ方で友達と遊んでいたのを覚えています。
中学生になると今度は父の転勤でスイス、イギリスで約3年間過ごし、帰国しました。
いろいろな文化や、いろいろな国の人がまざりあっている国々でくらすことで、さまざまな考えや生き方があることを知り、どんな考え方でもどんな生き方でもありだよね、とすごく柔軟になれたと思います。
※月刊ジュニアエラ 2019年6月号より