今さら聞けない「仮想通貨」に「ブロックチェーン」って? (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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今さら聞けない「仮想通貨」に「ブロックチェーン」って?

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1月26日、コインチェックは仮想通貨「NEM」の不正流出の疑いで謝罪会見を行った。3月2日、金融庁の登録を受けた仮想通貨交換業者16社(コインチェックは含まれない)が、統一のルールなどを定める自主規制団体を設立することを合意した (c)朝日新聞社

1月26日、コインチェックは仮想通貨「NEM」の不正流出の疑いで謝罪会見を行った。3月2日、金融庁の登録を受けた仮想通貨交換業者16社(コインチェックは含まれない)が、統一のルールなどを定める自主規制団体を設立することを合意した (c)朝日新聞社

 重要なのは、その帳簿の内容を勝手に書き換えたり、偽造したりすることが「原理的に」できないように、暗号などによって守られているという点だ。しかも、このコインの総量は、技術的に上限が決められている。つまり、貴金属の貨幣のように、希少性が保たれるように工夫されており、その点では紙幣よりも高度なしくみといえる。

 今年1月、コインチェックが運営する仮想通貨交換所で、「NEM」という仮想通貨が大量に盗まれる事件が起きた。

 そのため、「仮想通貨は危ない」といった声も聞かれるようになっている。しかしこれは、金庫が破られたことを理由に、「そんなお札は信用できない」と言っているのと同じで、ちょっと話がおかしい。むろん、交換業者の責任は重いが、問題は「金庫をきちんと守れなかったこと」にこそ、あるのだ。

 ただし今のところ、仮想通貨の多くは、短期的な価格変化を利用して利益を出そうとする、「投機」の目的で取引されているのが目立つ。そのため価値の変動が激しく、通貨としての実用性が低いのも事実だ。また、値上がりを期待して購入しても、当然、大きく損をする可能性もある。

 まったく新しい技術が社会に入ってくるときには、しばしば大きな混乱が生じるのである。

 とはいえ、暗号技術等で通貨をつくりだすという試み自体は、貨幣の長い歴史のなかでも驚くべき発明だ。現在の仮想通貨がそのまま「未来のお金」になる可能性は低いだろうが、新しい技術への挑戦が、私たちの未来をつくっていくのは確かだ。今後も金融分野のイノベーション(技術革新)からは、目が離せない。(解説/朝日新聞客員論説委員・千葉大学教授・神里達博)

【今後さまざまな分野で応用される「ブロックチェーン」のしくみ】
・個人の検診記録など
・各種のソフト
・各種のクーポンなど

【キーワード:仮想通貨】
暗号技術等によって、電子的に通貨の機能をシミュレートしたもの。中心となる運営機関は不要で、ネットワークにつながれたコンピューター群によって、分散的にシステムが維持されている。現在、世界で1千種類を超える「通貨」があるが、代表的なものとしては、「サトシ・ナカモト」と名乗る人物が開発したとされる「ビットコイン」が有名。

※月刊ジュニアエラ 2018年4月号より


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