世界が注目する巨大IT企業、Amazon。その日本法人であるアマゾンジャパンが、2021年9月16日に「Amazonキャリアデー」をオンラインで開催した。Amazon本社がある米国では19年から年に1度実施しているが、日本では今回が初となった。Amazonへの転職を考えている人のみならず、キャリアチェンジを希望している人にも、参考になるアドバイスがあふれたコンテンツなので、一度アーカイブを視聴してみてはいかがだろう。

Amazonキャリアデーはこちら >

■テーマはDiversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)

 多くの人が利用するECサイト、Amazon。日本では「amazon.co.jp」を中心に「Prime Video」や「Music Prime」などのサービスや、「Echo」「Fire TV」などのデバイスがよく知られている。近年ではこうしたEC事業のほか、最新のAIやロボティクスを駆使した物流ネットワーク、クラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Services」(以下、AWS)でも躍進している。

 Amazonキャリアデーはより多くの人に、今のAmazonを知ってもらい、Amazonが目指すものや、ここで働くことの魅力について理解を深めてもらうことを目的としている。

 今回は「Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)」(以下、DEI)がテーマになっている。AmazonでいうDiversity(多様性)とは個人のスキル、経験、視野、文化的な背景の多様性を尊重することを指す。Equity(公平性)は、社員一人ひとりの成長や昇進の機会の公平性。Inclusion(包括性)は、各人が能力を発揮し、周囲との信頼関係を築き、尊重されていると感じる職場環境であることだ。

 オンラインイベントでは、登場するさまざまなAmazonの社員がDEIの価値観に基づいてAmazonで働くことの意義ややりがい、またAmazonでのキャリア構築について紹介している。

 具体的なプログラムは以下の通り。アマゾンジャパン社長、ジャスパー・チャン氏のあいさつを含め、五つのチャプターで構成されている。

●イベントプログラム
 1. アマゾンジャパン社長ジャスパー・チャン氏によるあいさつ
 2. Fireside Chat※ #1「キャリアのスタート、Amazonの新CEOからのアドバイス」
 3. Fireside Chat #2「Amazonで実際に働く社員による座談会」
 4. Fireside Chat #3「Amazonの面接」
 5. Amazon アカデミー「時代の転機を迎える日本社会、これからのキャリアと自分らしい働き方とは」
※Fireside Chat:座談会

■Amazonへの転職を考える人には垂涎のコンテンツ

 本気でAmazonへの転職を志している人には、Fireside Chat #1とFireside Chat #3の視聴がマストかもしれない。Fireside Chat #1の語り手はAmazonの新CEO、アンディ・ジャシー氏だ。自身のキャリアと現在に至るステップの紹介は、非常にオープンで示唆に富んだものになっている。

 Fireside Chat #3はAmazonの「バーレイザー」が、理想の仕事に就くために必要なヒントやコツを説く。バーレイザーを直訳すると、採用の「基準(バー)」を「上げる(レイズ)」人。雇用チームからは独立した立場にあり、面接水準を高く維持するための管理者であるバーレイザーの話を聞き逃すわけにはいかないだろう。

 もちろん、Fireside Chat #2の社員座談会や、有識者によるAmazon アカデミーも転職、キャリアチェンジを考えている人には響くコンテンツだ。例えば、Fireside Chat #2に参加するのはフルフィルメントセンター サイトリードの佐藤涼子氏、アマゾン ウェブ サービスジャパン事業開発本部クラウドエコノミクス部長の藤本剛志氏、ヘッド・オブ・オートメイティッド・マーケティングのベッキー・イェ氏の3人。彼らが自身の経験を通じてAmazonの文化や、Internal Transfer(社内異動制度)などAmazonが提供する多様なキャリアの機会について言及している。

■すべての社会人が参考にしたいAmazonの行動指針

 とくにAmazonの文化の土台を形作る「Leadership Principles」(以下、LP)という、全社員が大切にすべき16項目の行動指針は、Amazonで働く人に向けたものではあるものの、これからの時代を生きる社会人に不可欠な視点ともいえる。自分の働き方や今後のキャリア形成について、改めて考えるよい機会となるだろう。

 ちなみに16の行動指針のうち、佐藤氏、イェ氏がとくに重要だと考えている項目として、「Customer Obsession」(お客様起点で考え信頼獲得のために全力を尽くします。競合にも注意を払いますがお客様を中心に考えることにこだわります)、藤本氏は「Ownership」(リーダーにはオーナーシップが必要です。長期的視点で考え全体のために行動します。それは私の仕事ではありません、とは言いません)を挙げる。

「私たちのお客様が、私たちのサービスを通して、いかによりよい体験ができるか。それを常に考えることが、私にとって仕事のやりがいです」(イェ氏)、「役職、職種、職域にかかわらず、誰もが発揮できるLPであり『それは自分の仕事ではありません、とは決して口にしません』という行動指針が全体に浸透していると、互いを認め、足りない部分は補足し合うという、すごくいいチーム体制ができると思います」(藤本氏)などの言葉から、Amazonカルチャーをうかがい知ることができる。Amazonを詳しく知りたい人には興味深い内容だ。

 また、佐藤氏がフルフィルメントセンターで実施するDEIの取り組みや、後進指導の様子を語る姿は、まさに30〜40代の女性マネジャークラスのリアルを映し出したもの。同性・同年代の人がこれからの生き方、働き方を考えるうえでのよい指標になるだろう。

 Amazon アカデミーでパネリストを務める有識者は、法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔氏、一般社団法人Public Meets Innovation代表理事の石山アンジュ氏、NPO法人GEWEL理事の稲葉哲治氏、モデレーターはAmazonでDEI推進に携わる藤谷ひとみ氏だ。

 新たな働き方や職場の多様性の促進が求められている時代に、個人は働き方、キャリア形成、そして生き方そのものをどう考えていくべきかを議論している。

 田中氏はこれからの時代の主体的なキャリア形成への考え方、石山氏は社会活動家として自らのキャリアへの向き合い方、そして稲葉氏は多様化するキャリアや新たな価値観を創出する考え方について話し、各自の経験や専門家としての視点で議論が進んだ。それぞれの専門性やユニークな経歴から展開される話を楽しむとともに、AmazonのキャリアオーナーシップやDEIに対する考え方、具体的実践についても知っていただきたい。

Amazonキャリアデーはこちら >

提供:アマゾンジャパン