イグ・ノーベル賞に輝いた世紀の発見も! 昆虫のオスとメスの意外な真実 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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イグ・ノーベル賞に輝いた世紀の発見も! 昆虫のオスとメスの意外な真実

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トンボ(※イメージ写真)

トンボ(※イメージ写真)

ハートの形を描くトンボの交尾(※イメージ写真)

ハートの形を描くトンボの交尾(※イメージ写真)

 異性にアプローチをするために知恵を絞るのは、人間だけではない。昆虫のオスとメスの間でも、さまざまな駆け引きが繰り広げられている。三つの意外な物語を通して、生物がオスとメスに分かれている不思議とおもしろさに触れてみよう! 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された記事を紹介する。

【写真】ハートの形を描くトンボの交尾の様子はこちら

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 2匹のトンボがつながって、ハートの形をつくっている姿を見たことがあるだろうか。互いに愛を語らっているような、ロマンチックな光景だ。しかし、そこには、メスを巡るオスのシビアな競争の物語が隠されている。

 生物は、自分の子を多く残すような性質が進化する。昆虫のオスが自分の子を残すには、自分の遺伝子の入った精子をメスの卵と受精させ、その卵を産んでもらわなければならない。そのために、昆虫は交尾をする。トンボの場合、副性器と呼ばれるオスの交尾器は、腹の付け根にある。オスは腹を丸め、腹の先端から出る精子を、あらかじめ副性器に移しておくのだ。その後、オスは腹の先でメスの頭部をつかみ、メスの腹の先端と副性器をかみあわせて、精子をメスの体内に移す。このとき、2匹の体がちょうどハートの形になる。精子はすぐに卵と受精はせず、いったんメスの体の受精嚢に貯められる。そして、卵を産む直前に卵と受精させる。

 多くの種類のトンボのオスは、自分の精子をメスの体内に移す前に、とても興味深い行動を行っている。副性器にあるトゲの生えたブラシのようなもので、受精嚢から別のオスの精子をかき出すのだ。メスは何匹ものオスと交尾をするから、別のオスの精子が受精嚢に残っていることが多い。それをかき出すことで、自分の精子と卵が受精する確率を高めている。自分の子を残すためのオス同士の戦いは、ここまできびしい。

■下心いっぱいのプレゼント?

 メスにオスがプレゼントをする昆虫もいる。キリギリスは、オスとメスが腹の先をくっつけ合って交尾をする。このとき、オスは精子だけでなく栄養のたくさん詰まったゼリー状の「精包」を腹の先から出す。卵を作り、産むために、メスには多くの栄養が必要だから、絶好のプレゼントだ。

 ただし、このプレゼントにはオスの下心も隠されている。メスに渡した精子は、体内に入るまでに時間がかかる。その間に、メスが精子を捨ててしまう危険があるのだ。しかし、精子と一緒に栄養満点のごちそうをプレゼントしておけば、メスがそれを食べている間に精子が体内に入る時間が稼げる。栄養入りの精包は、自分の精子が確実に受精されるための下心いっぱいのプレゼントなのだ。



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