お買い物、キッチン、食事中、お風呂、リビング……日常シーンは学びの宝庫。とはいえ、勉強と結びつけずに学びをゲーム化できたら……! 探究学習を究めるa.school(エイスクール)代表の岩田拓真さんに親子で楽しめる日常のなかでの学びアイデアを教えてもらいました。子育て情報誌「AERA with Kids2024冬号」(朝日新聞出版)より「お買い物編」「キッチン編」をご紹介します。
【図】学びの”ゲーム化”のコツ 5つのポイントはこちら!日常の遊びと学びの境界線をなくそう
子どもの「知りたい」「学びたい」という知識欲を高めるために、親ができることはなんでしょうか。
探究学習塾を経営する岩田拓真さんは「遊びと学びの境界線をなくし、日常のちょっとした体験を楽しもうとする家族コミュニケーションが、学び欲の土台になります」と話します。
岩田さんが提案するのは、食事やお風呂など日常シーンに生まれる学びを「ゲーム」にして楽しむアイデア。買い物のときに値段あてクイズをしたり、理科実験のように料理をしたり。教科の学びになることも、ゲーム性を少し取り入れるだけで、子どもは自ら試行錯誤し、主体的に考えるようになるそう。
ただ、親の心構えとして、注意も必要です。
「親御さんが意図的に『やらせたこと』は探究に結びつきにくく、子ども自身が『やりたい!』と思うことが重要です。子どもにとってはあくまで『遊び』の感覚でいながら、結果的に『学び』になることを意識してみてください」
岩田さんは、家庭だからこそできることがあると言います。
「学校では知識を身につけるインプットの時間が多いため、家では創作や実験など、何かを生み出すアウトプットの機会を増やすといいと思います。インプットとアウトプットを交互に繰り返す学びが探究心を深めるコツです」
日常でできる「学び×ゲーム」のアイデアを紹介。ぜひ、新しいゲームも親子で一緒につくってみてください。

学び×ゲームのアイデア シーンA. お買い物
◎ゲーム1 ぴったり計算レジ(計算力・暗算力・金銭感覚)
「かごに入れた商品の合計金額を予想しよう!」
現金を見る機会が減った今、日常で計算したり、物の相場を知ったりする学習機会も失われがち。一緒に買い物に行くときは、数字や値段を意識するチャンス。カゴの中の商品の値段を足し算して合計金額を発表し、レジで答え合わせを! 最初は買い物点数2、3点から始めてみてください。
【学びPOINT】
暗算が難しいときは紙とペンを用意。「ぴったり1000円買い物」など、引き算を使うゲームもおすすめです。
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