夫と共有した子育ては人生の「お守り」に

 いったん北欧のことを置いておいて、わが家の話をさせてもらうと、わたしたちは日本で出産をしました。夫はフリーランスで働いていて、できるだけ仕事を抑えてもらっていたものの、実際に完全に休めたのは産後の2週間のみ。夫の両親はスウェーデン、わたしの両親は自宅から車でも3時間かかる距離ということもあり、育児の中心を担うのはわたしでした。とはいっても、夫は自宅で仕事をしていたこともあり、オムツ替えから寝かしつけ、お風呂入れまでひととおりのことはいっしょにやっていました。

 すべてがはじめてだらけの毎日に戸惑い、片付けても片付けても散らかる部屋にイライラしたり、つくったごはんを子どもが食べてくれずに落ち込んだり。自分の時間が取れないことにもやもやした日もありました。また、それとは反対に、寝かしつけがうまくいったときはハイタッチで喜び、子どもの寝顔をかわいいねぇとしばらくいっしょに眺めていたことも。

「幸せ」と「辛さ」がごちゃまぜだったあの日々を、夫とふたりで共有できたことは、ちょっとおおげさかもしれませんが、これから人生をいっしょに過ごしていく中で、お守りみたいなものになっていくんじゃないかなと思っています。

 北欧のひとたちが夫婦の育児を大事にする理由もこんなところにあるのかもしれません。

北欧の日常、自分の暮らし - 居心地のいい場所は自分でつくる - (正しく暮らすシリーズ)

桒原 さやか

北欧の日常、自分の暮らし - 居心地のいい場所は自分でつくる - (正しく暮らすシリーズ)
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