発達に特性のある子を育てていると、「このままで将来は大丈夫なの?」「家族に理解してもらうには…」など悩みや心配がより強くなりがちです。苦しんでいる親子が少しでも心穏やかに過ごせるように、臨床発達心理士の吉野加容子さん、埼玉学園大学教授の藤枝静暁先生が読者の悩みに答えてくれました。子育て情報誌「AERA with Kids」から紹介します。

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忘れ物が多すぎる

目の前のことは忘れがち。目的を掲げたほうがうまくいく

 自己管理能力は、発達段階からいえば13~15歳ごろに身につけばいいので、もう少し先になります。将来の仕事などを考えれば、ADHD傾向の人は目的を掲げることが大事です。学校では「遅刻しないように」「〇日までに提出」など目標はあるのですが、ADHDの子からすると「何のため?」と目的がわからない。目的がないと忘れてしまいがちなので、行動した先に何があるのか、親がサポートできるといいですね。好きなスポーツ選手が子どものときに忘れ物をしなかったエピソードを聞かせるなど、「やる気や使命感を出させる」というのも一つの手です。(吉野さん)

周囲に援助を求められるよう促していく

 親御さんの心配が伝わってきます。忘れっぽいとのことですが、大人になればスマホのリマインダー機能を三つ使うなどいくらでも方法があります。小6の今のほうが大変かもしれません。一日の予定を親子で確認する、ランドセルに付箋を貼るなどサポートしてあげるといいでしょう。本人が忘れっぽいことを自覚しているようですが、大事なことです。その前提で生活をしたうえで、これから心がけてほしいのが、人に援助を頼むこと。「明日の図工の持ち物って何だっけ?」「漢字の宿題は21ページまでだよね?」など本人が周りに聞いて確認するように促していけるといいですね。子どもに指示する際は短く伝えましょう。(藤枝先生)

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AERA with Kids編集部
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