子どもがどんな本に興味をもつのか、それは子どもが本と出合わないと分かりません。「今、小学生にすすめたいホラー・ファンタジー」を代官山 蔦屋書店のキッズコンシェルジュ 瀬野尾真紀さんに選んでいただきました。今回は、小1・小2から読める本をピックアップしてお届けします。
怪物園
退屈した子どもたちは段ボールバスで空想の旅に出ます。街の中を行進するのは姿も色もさまざまな怪物たち。もっと違う怪物を想像してごらんという作者からの挑戦状かも。子どもの想像力への信頼が感じられます。
クマと少年
厳しい自然とともに暮らす地域では、動物の命のやり取りが伝承の儀式になっていることがあります。アイヌの「イオマンテ」もそう。兄弟のように育てられたクマを神に返すことができなかった少年の心情、再会して交わされる言葉。ただただ受け止めてください。
おめん
嫌なヤツの不幸を願ってしまう、負の感情のループに陥った結末とは……。「怪談えほん」シリーズの一作。はかなげな絵に濁音の不気味さが重なり、自分がかけた呪いに取りつかれる恐怖が増します。
ロサリンドの庭
病気で寝ているエリックの部屋の壁紙からロサリンドという女の子が現れます。あこがれの世界に迷い込むように2人は楽しく過ごすも、お互いの手を離すときが。それは悲しい別れではなく自立への第一歩。
(取材・文/AERA with Kids編集部)
※AERA with Kids2022年春号より抜粋。
※価格は税込み、掲載当時のものです。
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