〒721-8545 広島県福山市西深津町3-4-1 TEL.084-922-1682
詳しくはhttps://www.akenohoshi.ed.jp/cyukou/生徒の成長に寄り添いともに歩み
自ら考え学ぶ力を育てる
学びの主人公は
生徒たち自身
同校は戦後の混乱期にフランスのカトリック女子修道会「援助マリア修道会」のシスター4人が「Women for Others」(他者のために生きる女性)の育成を建学の精神に掲げて設立され、今年で76年目を迎える。
徳永信一校長は「時代に合わせてたえず変化を遂げてきたのがカトリックの伝統。本校も創立時の理念は核として堅持しながら、新しい時代に対応できる女性を育てるため、様々な改革を行ってきました」と話す。
その具体的な取り組みの一つが、2023年4月から導入された中学の新コース制導入だ。
入学から1年間はいろいろな学び方を体験し(ブリッジラーニング)、中2になると、自分が心地よいと感じる学び方を「クリエイティブラーニング」(気になる問いと向き合う)と「アップデートラーニング」(個別最適な学びを実践)の2コースから選ぶ。もし合わないと感じたらコースは変更が可能だ。
こうした学び方改革を行った理由について、進路指導部長の池田真智子教諭はこう話す。
「『なんで人間は植物のように光合成できないのかな?』など中学生は本来、素朴で純粋な『問い』をたくさん持っています。ところが学年が進んでくるとそうした問いは減り、受験のノウハウや効率のよい答えを求めるようになる生徒が目立つようになります。なぜそうなるか、教員たちで真剣に話しあった結果、これまで教える側の私たちは生徒たちが失敗しないように、大人の決めたルール、やり方を強いてきたのではないかと。そこで生徒たち自身が学びの主人公となれるしくみに変えたのです」
新コースの授業の核の一つは「まだ世界にない問いと出会う」こと。「『なぜ?』と問う好奇心は、答えを出すより大事なことだと思っています。自ら問う力が起点となって『もっと学びたい』『このテーマを掘り下げていきたい』との思いへと繋がっていくからです」(池田教諭)
「いま置かれた場所で
自分にできることは何か」
を考え実践
同校には3つの大きな教育の柱がある。全人教育、英語教育、探究型教育だ。
全人教育は「人間は神の似姿であり、神に愛された存在である」というキリスト教的人間観に基づき、生徒一人ひとりの全人格的な成長を支える根本的な教育のこと。
「たとえばですが、能登地震の被災者支援に率先して動くなど、本校の生徒は、他者のために、いま置かれた場所で自分にできることは何かを探して実践できる子が多いのが誇りです」と校長補佐の青木薫代シスターはほほえむ。
英語教育では、国際理解を深める「Global Understanding(GU)」と、世界の英語を学ぶ「World Englishes(WE)」と呼ばれる独自プログラムがあり、ネイティブ教員による、楽しく実践的な授業が行われている。
「他者のために何かをしようとすれば、必ず英語が必要になります。英語はあくまでその目的のためのツールです」と青木シスター。オンライン英会話や英語討論会も随時実施。全生徒が高2までに英検®2級取得をめざし、国際社会で通用する高い英語力を在学中に身につけられるよう努めている。同校が「英語に強い」と言われる所以だ。
生徒の内側から湧き出る
「これがしたい」を大切に
探究型教育は、生徒の興味関心から出発することを重視している。前述したように「問い」の種を大事にしながら、高校では、発芽した芽を大きく育てていく。
白水良尚教頭はこう語る。「私たち教員の役割は、生徒の内側から湧き出てくる『これが知りたい』『こんなことをやりたい』との内発的な思いを支えていくこと。かつてこんな女子生徒がいました。彼女は英語が大の苦手。でも生物が大好きで、熱心に探究に励んだ結果、その取り組みが評価されて広島大学に入学しました。現在は大学院で先進の研究をするために留学するほど、英語もできるようになったそうです。自分が本当にやりたいことがあれば、苦手なことも乗り越えていけるのです」
中には、「失敗したことは人に言っちゃいけない」と思っている生徒も少なくないという。「私たちは上手なプレゼンやすごい答えを求めているのではありません。壁にぶつかったり失敗したりしたことをどう乗り越えたか、その体験を語ることが大事だよと指導しています」(白水教頭)
探究活動での学びを通じて生徒たちは自分がやりたいことが何かを見つけ、それが最も実現できる進路はどこかを考えていくという。「『私はこれを学びたいから、大学の授業は大変だけど頑張って受けています』と明るく話す卒業生の姿をみると、とても嬉しいです」(池田教諭)
昨年10月1日付で同校は上智大学と高大連携協定を締結。今後はキャンパスツアーや大学生とのPBL(プロジェクト型学習)、教職員同士の情報交換などを実施し、カトリックの精神に基づく教育の充実と社会貢献という共通理念をさらに深化させていく。
「主体的な学びや生きる力を身につけ、世の中に貢献できる女性を輩出していけるよう、これからも教職員一同、全力で生徒たちを支えてまいります」と徳永校長は話した。
注目集まる
「総合型」入試
同校では教科型(算数と国語)、適性検査型に加え、2023年度から総合型入試を始めた。3~5人の受験生がグループになり「あなたが今まで夢中になって学んだこと」を発表する。自分なりの見方、考え方を述べているか、他のメンバーにわかりやすく伝えているかなどを評価する。「ワクワクして取り組んだことをグループ内で話すのですが、試験が終わると仲良くなって帰っていく子たちが多いです(笑)」(池田教諭)。未来の「暁の星」を発掘するユニークな入試に次回も注目が集まりそうだ。
徳永 信一校長
青木 薫代校長補佐
白水 良尚教頭
池田 真智子進路指導部長
老人ホームや障害者支援施設などを訪問し、清掃作業やクリスマス会を開催する奉仕活動
記念祭バザーでは遊戯店、模擬店、生徒作品販売などが催され、大勢の来場者でにぎわう
❶ニュージーランド短期留学はホームステイをしながら、姉妹校のヴィラ・マリア・カレッジで学ぶ❷高校生平和大使として世界各地で活躍。原水爆禁止世界大会(広島)やジュネーブ平和大会などに参加❸探究活動ではクエストカップ全国大会など積極的に参加❹理系女子も年々増加。生物や農業に関心を持ち、研究職で活躍するOGも❺上智大学と高大連携協定を締結。キャンパスツアーや大学生とのPBL学習などを実施
提供:福山暁の星女子中学・高等学校
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。